Volcano Choir ‐‐Review‐‐

シングル「For Emma, Forever Ago」が全米12位を記録したという注目のシンガーBon Iver、そしてポストロックで偉大な存在感を放ったPeleの残党で結成したCollections of Colonies of Beesによる合体ユニット。Volcano Choirは火山聖歌隊を意味する。世界で最初の最後のライヴを2010年11月に日本だけで行った。


Unmap [+digital booklet]

Unmap(2009)

   シングル「For Emma, Forever Ago」が全米12位を記録したという注目のシンガーBon Iver、そしてポストロックで偉大な存在感を放ったPeleの残党で結成したCollections of Colonies of Beesによる合体ユニット。

 基本的にはアコースティック色が強い牧歌的な演奏の上に、Bon Iverのエコーがかった声が自在に乗せられていく感じで展開していく。Peleから脈々と続くコロちゃんのハードコアの息吹のかかったミニマルなインスト・ポストロックは抑え目で、代わりにフォーク~エクスペリメンタル~アヴァン・ポップといった趣を押し出している。加えて、エレクトロニクスの波が緩やかな膜を張り、ドローンっぽいノイズが塗されたり、豊かなコーラスワークやハンドクラップで鼓舞したりもしていて何とも実験的な側面が強い感じ。注目のBonのヴォーカルは機械的に加工されているのが大半だけど、人的な温もりを不思議と感じさせるし、生歌では持ち味(らしい)のソウル~ゴスペルのような艶やかな色めきを与えている。背筋をぞっとさするような緊張感を持てど、聴きやすく造りこまれるのも特徴的。蠢き、膨れ上がる数々の音色は有機的に混じり合い、それが何とも言えない風情をかもし、極彩色のエクスペリメンタル・ポップとも評すべきサウンドを形成してしまっている。

 雰囲気としては密教のようなイメージもあるし、築かれる世界は間違いなく幻想に包まれた異郷なのだが、踏み入れてみると大らかな生命のエネルギーや喜怒哀楽の感情が漏れ落ちて感動を誘われてしまう。ブルックリン勢と共振しているようで、全く未知の荒野を開拓している本作は、ポストロック云々を越えた次元の向こうで成立した傑作である。

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