Washed Out ‐‐Review‐‐

 チルウェイヴ/グローファイの代表格と評される、米ジョージア州出身のアーネスト・グリーン(Ernest Greene)によるプロジェクト。


Within & Without

Within & Without(2011)

 09年発売のEP『Life of Leisure』でチルウェイヴの旗手として全世界から絶賛されたWashed Outの1stフルアルバム。前作のジャケにもあったような、水面から顔を出した時の気持ちよさが本作でも感じられる内容である。チルウェイヴというのは、エレクトロニカ、シューゲイザー、ニューウェイヴ、サイケ等の要素を巧みに集積して、ベッドルーム・ミュージック的な所があると思う。本作もまたそれに倣った造りだと思うが、懐かしくもモダンにサウンド・メイキングしていて、なおかつ美しくデザインされている。

 前作だともっとフロア寄りの躍動感があったが、それと比べるとかなりメロウな印象。シューゲイザー的な眩惑のサイケデリアが広がり、アンビエント風の佇まい、チルウェイヴらしい独特の浮遊感、それにドリーム・ポップ的な要素まで内包して包み込んでいくような感覚が強い。ヴォーカルもエコーがかかってはいるが、どこか清涼感を残している。さらにノスタルジックな感傷を放つ光沢のあるメロディには神経が隅々まで息届いてることを伺わせ、ぼやけた輪郭の中でもポップさが効いていて、ゆるやかな現実逃避も味あわせてくれる。サンプリングやストリングスの細かい出し入れにもまたセンスを感じさせ、温かな光を浴びているかのような心地よさ、そして癒しのパノラマが無条件に広がっていく。センチメンタルな感情に見舞われ、ロマンティックな一時に浸れるチルウェイヴの誘いは、冒頭の「Eyes Be Closed」から甘美な陶酔感が続くことだろう。

 でもフジロックでそのライヴを3曲だけ堪能したが(会場への到着が遅かったため)、5人でのバンド・セットでエモーショナルな熱量を感じさせるもので面食らった。あんなにも昂揚感で会場を満たすと思ってなかったので、フロアを揺らす歓喜で包まれたレッドマーキーが何度となく思い出される。

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