Wire ‐‐Review‐‐

集合と解散を繰り返しつつも評される30年の歴史を誇るポスト・パンクのレジェンド。世界に大きな影響を与えた『Pink Flag』、『Chairs Missing』、『154』の存在は、長い年月を越えた今もなお褪せない輝きを放っている。


Red Barked Tree

Red Barked Tree(2011)

   紆余曲折ありつつも活動を続けているポスト・パンクの大御所の2011年作。僕は名盤と名高い初期の3枚しか聴いたことはないんだけど(売ってしまったが)、時代を先取ったポスト・パンクやニューウェイヴへと切り込んでいったあのサウンドは確かに衝撃的だった。本作にもそういった過去のワイアーらしい要素は全体的に滲んでいるし、緻密な構成力やずしりとした金属的な質感が音塊として表出している。眼の覚めるようなハードな曲を叩きこんできたり、ポストパンクで躍動させたりと生身の音は当然のような強靭さ。芯の部分に置いての強さは何一つ変わってないように感じられる。しかしながら、艶やかでエモーショナルな色気が感じ取れるのがとても新鮮だ。近年の彼等の音というのは全くわからないんだけど、いい意味で力が抜けているのと柔らかく奥行きのある音色にはかなり驚かされた。それは叙情性が表立った#3を聴けばなおさら実感する。さらには浮遊感のあるエレクトロニスとの絡み合いも抜群で、ポップという言葉も浮き彫りにしているように思う。これまでのキャリアを踏まえた重鎮としての貫禄をみせながらも、バリエーションの豊かさを示した作品といっていいだろう。#4、#8のテンションには昂揚とさせられるし、ラストのタイトルトラックの#11の美しさは群を抜いている。前述したように本作で久々に聴いたわけなんだけど、聴き手に凄みを感じさせるのはさすがだ。

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