Yuck ‐-Review‐-

元Cajun Dance Partyのメンバー2人を中心としたUKのオルタナティヴ・ロック5人組。女性ベーシストは広島出身の日本人でございます。


ヤック

Yuck(2011)

   うまくいってたようにみえてあっさりと解散していたCajun Dance Partyのメンバー2人が中心となって結成されたUKのオルタナティヴ・バンド5人組の1stアルバム。ベーシストがMarikoさんという広島出身の日本人の方だそうで驚かされます(その縁もあってか国内盤のボーナストラックでは、はっぴぃえんどの「夏なんです」を収録)。

 ケイジャンなんとかっていう前進バンドは、かなりハイプされてたせいか全然聴かなかったんだけど、Yuckは本当に全くの別物だという評価が多い。個人的に聴いた印象だとダイナソーやスマパンを思わせるようなオルタナ・ロックに、最近のPainsちゃんやSas Day For Puppetsちゃん辺りの切なさ/甘酸っぱさ/蒼さが浸透した作風。これが素直に良いです。UKのバンドなのに90年代USオルタナティヴ・ロックの影響が濃く、ソニック・ユース~ダイナソーよろしくな轟音ギターが鼓膜を引き摺る#1や#4を筆頭に、ちょいグランジの領域も侵しました的な要素もチラホラ。空気を切り裂くこの荒々しいギター・サウンドによって心に火をつけられる人も多そう。とはいえ、アコースティックな曲調でしっとりと歌とメロディを聴かせる#3、タンバリンと男女混成ヴォーカルが軽やかな疾走感に乗せて甘酸っぱく響く#6、といった曲で等身大の若者を表現する場面もあり。丁寧に表現されるこのメランコリックな音色もまた彼等の味わいのひとつ。じわっと胸に染み渡ってくるようなナイーヴな歌やメロディにはキラリと光るものがある。ラストの#12『Rubber』ではSPACEMEN 3みたいな歪んだギターと気怠いヴォーカルがじわじわと脳髄に効く宝刀も備えているが、全体を通して聴くと、このストレートさが何ともいえない蒼さと煌めきを放っている見事なデビュー作。

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