ZENI GEVA ‐‐Review‐‐

1987年に結成された岸野一之、田畑満、吉田達也というトリオによるプログレッシヴ・モンスター・ハードコア・トリオ。最狂すぎます。


ALIVE AND RISING

ALIVE AND RISING(2010)

   吉田達也が20年ぶりに復帰して最強のトリオ編成に戻った本作は、09年9月の神戸/京都のライヴを吉田達也自身がラップトップコンピューターを用いて録音、マスタリングまで行って編集したもの。ちなみにわたくしは過去の全作品、未聴です。

 地鳴りの如き黒くぶっとい音圧、凄まじいまでの手数による奇奇怪怪な展開が恐ろしい混沌風景へと導く。いやはや、聴いているだけで頭と精神がぶっ飛ぶ。ハードコア、プログレを基盤にしてパンク、スラッシュメタル、ノイズ、オルタナといったジャンルを租借していることが伺えるのだが、サウンドの鋭角さと濃厚さ、それに先鋭性はあまりに理知的で破壊的である。現代のカオティック・ハードコアとはまた違う、カオスの饗宴が凄まじく威圧的なのだ。スラッジばりの途方も無いヘヴィさがハードコアの加速力と狂気性でたたき付けられる様には唖然、悶絶。

 塵だめのような汚さから摩訶不思議なエモーションを放つギターは耳を引きつけるし、吉田達也氏の神レベルの手数と自由自在のペースで翻弄するドラム(ルインズで聴いたときも凄かった)も圧巻だし、低音でガナリまくるヴォーカルも恐ろしく躍動的で狂気的だ。その掛け算が意識をなぶり殺す混沌へとつながっている。これには、神業と表現したいし、敬意を持って変態とも表現したい。カオスパッドやスタジオ加工でいじったっぽい電子音装飾も独特の感性をもたらし、不穏に轟いている。しかし、すげー無機質な黒々しい音の塊という印象が浮かぶ中で、ライヴらしいテンションの高さが異様に熱い。ライヴで汗臭くモッシュしているイメージが浮かんでくるし、実際汗まみれだろう(笑)。絶妙に捻くれた展開と四方八方からたたきつられる轟音に頭から襲われることこの上ないが、その中でも#3や#4は特にかっこいいし、神経をヨレヨレにする#7みたいな曲も壮絶な白昼夢に浸れる。

 ミニマル・テクノっぽい雰囲気から一気呵成と激流に飲み込まれる#12、凄まじいテンションで突っ走る#13といったラストの流れも痛烈無比。物凄いとしかいえない。あまりにも密度が濃すぎるし、濃厚な部分だけ突き詰められたかのような感じも受ける。これはもう、そこいらの軟弱ハードコア、プログレもどきを奈落の底に突き落とす脅威のライヴアルバム!

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