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ミルク色の海 ジョゼ・サラマーゴ『白の闇』を読む

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突然の失明が巻き起こす未曾有の事態。「ミルク色の海」が感染し、善意と悪意の狭間で人間の価値が試される。ノーベル賞作家が「真に恐ろしい暴力的な状況」に挑み、世界を震撼させた傑作。1998年にノーベル文学賞を受賞した著者の最高傑作と評され、「世界最高の文学100冊」にも選出された一作。河出書房がこのタイミングで3月頭に文庫化して復刊。

 目の前が真っ白になる失明が感染症として猛威を振るう。五感から視覚を奪うだけで社会崩壊のスピードは圧倒的に早く。それに伴い、人間の尊厳は消え去る。無秩序の世界だけが残り、地獄絵図の具現化された物語に脳髄がやられ、悪夢が心に刷り込まれるよう。本作にはひとりだけ視力を失わない人物がいますが、見える世界も見えない世界も悲惨しかないと思わされる。

 深刻化していく世界情勢の中で、カミュ『ペスト』の方が今は読むべきだと感じる。『白の闇』は本当の終末だけに読んだ後のダメージは大きい。それにしても会話文が「」で囲まれてないだけでこうも読みにくいとは。そして1ページに文字ぎっしりなのでさらに読みにくい(ページ数は408頁)。というわけで読むのにもだいぶ苦労します。もちろん、読むためのエネルギーはかなり必要です。

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 2008年に『ブラインドネス』として映画化されてるが、こちらも少し間を開けて観ようとは思う。ちなみに著者原作の『複製された男』は映画で観てます。ドゥニ・ヴィルヌーヴ&ジェイク・ギレンホールというコンビは観てしまいます。

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