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あくまで”感じ”の物語 海猫沢めろん『愛についての感じ』を読む

「初恋」誰からも名前を忘れられた男の、淡く儚い恋の物語。「ピッグノーズDT」道で倒れていた女性を助けてから、オレの恋(=脱DT)が始まった!けど…。「シュガーレイン」幼い兄妹のもとに現れた、ひとりぼっちの闖入者。奇妙な共同生活を始めた三人は、やがて―。「オフェーリアの裏庭」とある山奥で「私」が目撃した偶然=色褪せた奇跡とは。「新世界」東のヤクザ・金城×西の色街で働くたま子。交わらず、届かない想いの行方は―。世界の余白で描かれるビターな五つの物語。

世界の余白で描かれるビターな5つの物語とありますが、たしかに愛ではなく、愛についての感じというタイトルになったのが頷けます。どの作品も不器用だけど切実な想いが溢れている。でも、普通ではないけど特別でもない。だからこそ響くものがあるのでしょうか(よくわからないところもあるけど)。 それにしても第2編の『ピッグノーズDT』では洋楽邦楽のバンド名が20ぐらいでてきて驚きます。スティーヴ・アルビニ先生の名が出てくる小説なんて今まであったでしょうか。そして、フレーミング・リップスのTシャツを着ている人は”いいひと”らしい(笑)。 海猫沢めろんさんとずっと前からちょっとした知り合いだったという、でんぱ組のねむきゅんの解説にしてもありったけの愛がこめられてて良いです。

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