全公演SOLD OUT。追加公演もSOLD OUT。シューゲイザー・レジェンドの降臨でございます。『Lovelesss』 という金字塔を打ち立てた4人が、フジロック’08以来の4年半ぶりとなる来日公演。しかも単独ツアーとなると、なんと約22年ぶりだとか。時の流れとい うのものの重みを認識しますね。
まずは、ちゃんと来日したことに驚きだったりする。そんでもって3日前だったかな、22年ぶりとなる新作『mbv』を公式サイトで突如発表という爆弾も放り込んできた。物販で買えるだろうと楽しみにして、音源をチェックせずにライヴに臨んだのだが、持ってきてなかったのは残念・・・。まだオフィシャル・サイトのみの販売となるようだ。
なんばHatchに来るのは約3年ぶり。In FlamesやAtreyu等が出演した2010年のTaste Of Chaos以来となる。その時は心配になるくらいにガラガラであったが(まあ、辺境地・名古屋ほどではないが)、今回は満員御礼。1階だけでも1800ぐ らい入ったのではなかろうか。僕は整理番号B 280番台だったけど、A/B/Cという表記無しのチケがまず300番まであって、続いて整理番号Aが1000番まで。Bの時にはかなり人が減っていた (途中で入ったからBが何番まであったかはわからない)。その後にCまであったから、詰め込むだけ詰め込んでる。
ちなみに開場時間は18:00でしたが、 「メンバーの方がさっき着きまして、今リハやってます」というアナウンスがあって、実際には18:30ぐらいからの開場となった。個人的には後ろの方のわ りと見やすく、全体を見渡せる位置を確保できたので、ホッとした。本当は2階席が良かったですけどね。そして、上の画像にもあるように、大音量のためにバ ンドの意向で入場時に耳栓が来場者全員に配られた(最下部でご紹介)。
ライヴは30分押しの19:30にスタート。コルムのカウントから印象的なイントロが耳に飛び込んでくると、先ほ どメンバー4人を迎え入れた時よりも、さらに大きな歓声が会場に響き渡った。オープニングは「I Only Said」、永久名盤『Loveless』からのこの曲で白昼夢のような時間が早くも訪れる。甘美なメロディと柔らかなギター・ノイズ、おぼろげな歌声。 スクリーンにはサイケデリック?とも表現すればいいのか悩むが、不思議な映像が曲毎に映し出されていた。
続く「When You Sleep」でもその心地良さに浸る。ケヴィン・シールズとビリンダ・ブッチャーによる格別のハーモニーが鼓膜を撫でるが、その基盤にはデビーやコルムの マッシヴなビートがあるのも認識させられる。ベーシストのデビーは、かなり男前なロッカーのような感じで演奏していてちょっとびっくりした。ちなみにケ ヴィンは1曲終わるごとにギターを変えてたと思う。
3曲目には新作「mbv」から「New You」を披露・・・っがすぐにやり直し。この曲だけでなく、やり直しは5曲ぐらいあったけど、それでも温かい歓声と拍手を送られるということは許されて るってこと。確かに見ていても微笑ましい。マイブラを見られることへの感謝の方で心が満たされているからだろう。
新作からはこの曲のみであったが、『Loveless』の延長線上ともいえるこの曲への反応はなかなか。「ビリンダ、カワイイーッ」って声も演奏後には聞こえてきたしね(笑)。 前の「When You Sleep」後には、「オコノミヤーキ」「テンプーラ」という外人の叫びに客席で笑いが起こっいたので、マイブラを見ているという緊張感は、客席からはさほど感じられなかったかな(僕としてはもっと緊張感があったほうが良かったかと)。
セットリストに関しては前日と全く一緒。オールタイム・ベストといったところで1st~2nd~未発表曲集まで幅広 く・・・と調べてみたら近年はどこもほぼ似たようなセット(苦笑)。アンプの数は、SUNN O)))ほどではなかったが確かに多く、1曲、1曲と進むごとに音が少しずつ大きくなっていったのは、意図的か。一番体感してみたかった名曲「Only Shallow」、そして「Soon」はひたすらに気持ち良くてまさに夢見心地。
ライヴを通しても『Loveless』の曲の方が、観客の反応は大きい。 ただ、1st『Isn’t Anything』期の曲では、ロックバンドとしての初期衝動が強く感じられて、俯いて奏でる音楽とは無縁のパワフルさが新鮮であった。
そして、嵐のようなギター・ノイズと疾走感で駆け抜けた「Feed Me With Your Kiss」を経て、「You Made Me Realize」についにたどり着く。待ってましたとばかりの大歓声で迎えられ、いよいよ天地をひっくり返すような轟音がなんばHatchを揺らす。本当に先ほどまでが何だったのか!?というほどに、音が凶暴さを増し、怪物にでもなったかのようだった。隙間無く塗りつぶしていくようなけたたましいフィード バック・ノイズに、周りでは耳を塞いでいる人も多数。
そして、両手を上げて歓喜に打ち震えるものも多数。僕は耳栓はしなかったけれども、轟音耐性が無いと 確かに人間の感覚を飲み込んでしまうほどの力があったとは思う。この轟音パートには、個人的にメルツバウの存在が頭がよぎったが、これが14,5分続いて も快感に思えるのだから人間というのは不思議なものである。マイブラがマイブラたる所以がラストに凝縮。伝説は未だに色褪せない。感激の約85分であった。
–setlist–
I Only Said / When You Sleep / New You / You Never Should / Honey Power / Cigarette In You Bed / Come In Alone / Only Shallow / Thorn / Nothing Much To Lose / To Here Knows When / Slow / Soon / Feed Me With Your Kiss / You Made Me Realize
物販ではTシャツ1枚を購入。また、右画像は配られた耳栓。本日は青でした(前日はオレンジだった模様)。