2004年1月~2017年7月まで13年間、音楽サイトとして運用。4年ぶりに形を変え、2021年6月より再始動。

いい一日ではなく、本物の一日を『あなたの旅立ち、綴ります』鑑賞

 率直に今年観た中で上位に入るぐらいにめちゃくちゃ良かった。

 元広告代理店の女社長にして大成功大富豪ばあさん・ハリエット(シャーリー・マクレーン)が、自分のお悔やみ記事を記者・アン(アマンダ・セイフライド)に依頼したことで転がっていった物語。ばあさんは頑固で傲慢で自意識過剰すぎるがゆえに知人から嫌われまくってて、記者もお悔やみ記事が書けない状態。けれども、最高の訃報記事にするためにばあさんが自らの人生を綴り直していく。

 やり残したことをやり遂げることで余生を豊かにするハリエットが強くてかっこよい。集めていた大量のレコードを持ってラジオ局に押しかけ、早朝番組のDJの座をゲットするところなんかは出来すぎだろと思いつつ、そんな行動によって人生は新たに生み出されていくんだなあとも思う。彼女に感化されて記者・アンも変わっていく。クソババアから最高の友人へ。その世代を超えた友情がまた美しい。ハリエットのレコード・コレクションをきっかけに意気投合していくあたり、音楽好きとしてはグッときます(笑)。

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 印象的なシーンのひとつに、ばあさんが「イカす言葉をこの子から教えてもらったの、”ムカ着火”」と言い放って場面がある。おこ→激おこ→ムカ着火みたいな字幕の流れが出てたんだけど、それに場内から笑い声が漏れてたし。そして、その流れであの暴挙暴走。そんなコミカルな部分が随所にあったのも気持ちよくみれたな。

 とはいえ、いいタイミングでいいセリフが入ってくるもんだから余計に染みる。”失敗はあなたを賢くし、強くするとか、”いい一日ではなく本物の一日を”とか言われることではあるけど、本作の流れで聴くととても説得力がある。最近、いい大人になれてるか?的な本や映画を続けて観てる感じになってるけど、この映画は決定打だな。ホント、背中を押される。

 それにしても、知らなかったネイサン・マシュー・デヴィッドという方の劇伴がとても良く、The Album LeafやHelios辺りを彷彿させる美しい楽曲で作品を引き立てる。Spotifyで聴いてるけど「The Lake」や「The Last Word」の2曲が特に良いです。

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