敵国から英雄へ『キーパー ある兵士の奇跡』鑑賞

¥3,218 (2021/06/26 14:39時点 | Amazon調べ)

 最近、『異端の鳥』や『ある画家の数奇な運命』とあの時代のドイツ関連作を立て続けに鑑賞してる感じですね。『キーパー ある兵士の奇跡』は、マンチェスター・シティで活躍したGKバート・トラウトマンの人生を基にしたお話。プレミアリーグは僕がアーセナルファンということで観たりしますが、トラウトマンのことは全く知りませんでした。

 彼が歩んだ道のりと比べて映画では脚色されているが(実際に地元クラブでプレーするのは、捕虜収容所から出た後)、すごく中身の濃い人間ドラマ。戦争によって全てのドイツ人が背負ってしまった罪があり、イギリス国民が持つようになった敵国感情があり。だからこその憎しみと赦しが本作のテーマの根底にある。

 サッカーシーンは地味で、昔のフィジカルごり押し感半端ない感じでしたが、トラウトマンのセービングシーンはカッコよく見える。あと武器だったらしいスローイング。それよりも前述したように赦しとは何かを描いたものとして描かれているし、英国人の妻・マーガレットとの恋物語も美しい。本作を観るまでマンチェスターがユダヤ人コミュニティの権限が強いってことを知らなかったし。彼がマンCの選手として初出場した際に、観客ほぼ全員からブーイングを浴びている姿には辛いものがあった。国の罪が全て個人への罪に集約され、一人でそれを受け入れざるを得ない状況がいかに酷なものか。

 彼が体験する絶望と幸福を映画を通して実感する。プレーを通して個として認めれ、英雄へ。FAカップ(日本でいうと天皇杯が相当する)決勝のシーンは胸を打たれるものがあった。ただこれでも彼の贖罪は終わらなかったが。

 マンチェスター・シティということで、エンディング・テーマが眉毛兄弟のあちらさんでした。あとダニエルブレイクのおっさんが出てたのに気付かなかった。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

目次
閉じる