誰しも迎える人生の岐路で葛藤するこれから『東京バタフライ』鑑賞

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 ボーカルの安曇とギターの仁を中心に結成した人気大学生バンド「SCORE」。ある日、ライブ中にレコード会社の目に留まりメジャーデビューのオファーが舞い込んできた。しかし、安曇はある出来事をきっかけにレコード会社へ不信感を抱き、メンバーと対立。バンドは解散してしまう―
 6年後、介護士として穏やかな日々を過ごす安曇、人気バンドのサポートギターとして活動する仁、アルバイトをしながらも音楽に未練が残る修、結婚後、妻・瞳の実家の和菓子屋さんで働く稔、28歳となった彼らはそれぞれ別の生活を歩んでいた。仕事、結婚、人間関係・・・さまざまな人生の悩みに直面した彼らは、ふとしたきっかけで再び集まることになる

 バンドの物語であるけれど、演奏シーンがほとんど出てこないのが特徴のひとつ。挫折を経て生きていく姿、それを中川龍太郎監督を補佐してきた左近監督が描いてます。メインに置かれているのが6年後の彼・彼女達の動向。音楽で生活する者、音楽を諦めた・忘れようとする者、音楽にしがみつきあがく者、別の幸せを見つけた者。そのリアルさが苦しくもあり、美しくもあって。でも、心の片隅にはバンドの音楽と思い出が残ってる。それが再び4人を結びつけます。

 サポートということで自分の音楽をやれないことに葛藤を覚えたり(ギター)。はたまた、YouYubeに動画投稿しても多くて再生回数12回という現実を直視しなかったり(ベース)。終盤、2人が公園で語り合うところがあって、ベースの子が「音楽をやめる」と宣言する長回しのシーンだが、ここが凄く良くて。青春との決別、理想を捨てて生きていかなければならない、その現実と泣きながら向き合うところにこっちも泣けてきました。30歳を迎える前にこのままでいいのか?とは誰しも考えると思うけど、本作は余計にエグってきた感あります。

 水石亜飛夢くん演じるギターの仁が音楽を何でやってるの?に対する答え「根拠なき使命感」は何となくわかったりもする。自分もよくわかんないけれども、こうしてずっと文章を書いているので。それはさておき、とにかくベース役の小林竜樹くんの演技が抜きん出てて、凄かった。本作は予想よりもかなりよかったです。

 ちなみに町田が舞台となってますが、LUNA SEAは関係なかった。音楽的にそりゃあそうか。

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