優しい人と時間の中で 『もみの家』鑑賞

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心に不安を抱えた若者を受け入れる“もみの家”に、16歳の彩花がやってきた。不登校になって半年、心配する母親に促され俯きながらやってきた彩花を、もみの家を主宰する泰利は笑顔で招き入れる。慣れない環境に戸惑いながらも、周囲に暮らす人々との出会いや豊かな自然、日々を過ごす中で感じ取った大切な“なにか”に突き動かされ、息苦しい時間を過ごしていた彩花は少しずつ自らの気持ちと向き合あっていく…。

 2ケ月ぶりの映画館での鑑賞。5/22から営業再開の伏見ミリオン座にて『もみの家』です。営業再開でも上映終わってるだろうなと思ったら、続映していただけたので感謝。ちなみに座席は両隣が空いていて、さらに一列置き。なのでミリオン座の一番小さいスクリーンだと約50席ほどですが、今は座席数15ぐらいになってる。この回の鑑賞者は自分を含めて7人でしたね。

 半年間の不登校で引きこもりになっていた東京の16歳女子高生・彩花が、富山県にある”もみの家”へ母親から強制的に入所させられる。心に不安を抱えた若者たちを受け入れるその施設では、”早寝早起き・農業”を軸とした共同生活で個々の自立支援を行う。最初は全開ダるいなの態度と死んだ目をしていた彼女も、人々とのふれあいや自ら作物を育て収穫することで変わっていく。

 出会い、別れ(旅立ちor卒業)、死別、生誕。それらが富山の四季の移ろいとともに彼女の身にも降りかかりますが、その中で自分の在り方を見つけていくことで別人のように活き活きと日々を送るようになる。『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』の吃音症の少女に続き、南沙良さんが印象に残ります。心を閉ざしていた少女がこれまでの殻を破る。人々から影響を受けて得る豊かさや人間味が終盤の彼女の姿に反映されていて美しかった。

 今のままではダメだ、変わろうと思っても簡単には変わらない。いろんな人々と嫌でも関わらなくてはいけない場所に身を置いて生活していくことで、自然と変化は起こっていくのかなあと思った。独り主義者の自分には無理なんだけども(苦笑)。

 本作はあまりにも優しさと善意の世界が確立していて、それはどうなんだと思ったりする。加えて、学校に行くことが成長・正であるという考えはどうなのか?と思ったりもします。けれども、人々と自然の美しさが作品の肝だと感じたのでこれでいいのでしょう。緒方直人さんや田中美里さん、佐々木すみ江さんの程よい距離感で接するのがまた良かったですね。以下、気になったセリフ。

「いじめっ子はモンスターだから倫理とか道徳とか通用しない。何言っても無駄だから逃げるが勝ちなんだ。」

「親ほど割にあわん商売はないじゃね。」

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