家族のためのウソ 『フェアウェル』鑑賞

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NYで暮らすビリーと家族は、ガンで余命3ヵ月と宣告された祖母ナイナイに最後に会うために中国へ帰郷する。家族は、病のことを本人に悟られないように、集まる口実として、いとこの結婚式をでっちあげる。ちゃんと真実を伝えるべきだと訴えるビリーと、悲しませたくないと反対する家族。葛藤の中で過ごす数日間、うまくいかない人生に悩んでいたビリーは、明るく愛情深いナイナイから生きる力を受け取っていく。ついに訪れた帰国の朝、彼女たちが辿り着いた答えとは―?

 末期ガンによって死期が近い、ナイナイおばあちゃまのために、みんなで嘘をつこう。生命は家族のものなんだから。

 とまあ、大まかにはこんな映画です(笑)。A24製作、ルル・ワン監督の実体験とルーツが色濃く反映されてます。本作の主人公であるビリーは幼い頃に、中国からアメリカへ移住(監督自身もそうらしい)。それゆえに中国人でありながら、アメリカ人としての考えが自身に浸透していることで、個人・家族についての考えはそちらより。アメリカで同世代の友達といる時は、中国にルーツがある事が逆に悩みっぽく捉えてたりもしてる。どっちつかず、ゆえのビリーの孤独も映し出されてる。

 おばあさまの余命宣告に対し、家族としての総意・考えは当然ながら中国寄り(映画では西洋・東洋としていたが)。生活圏によって考え方は当然に変わる。みなが最良の生活を送るために、最高の嘘をつく。それが幸せなんだと。でも、ところどころで誰もが悲しみを堪えきれてないのは、おばあさまにバレてるんじゃないのかとハラハラする(正直、感づいてる気はずっとしてたけど)。

 そして、全ての邪気を振り払うあの太極拳ですよ。ハッ!ハッ!にはやる気、元気、いわきよりもエネルギーの源が隠されていた。自分には90歳超えても健在の祖母がいるので、本作を観てもっと会いに帰ろうと思いましたよ。

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