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結成28年目の集大成 bloodthirsty butchers『youth(青春)』

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 前作から約3年8カ月ぶりとなる13枚目のフルアルバム。未だに信じられない吉村秀樹氏の逝去から早くも半年。『次のアルバムはね 俺の最高傑作な音像なのよ』という彼が残した言葉通りに、研ぎ澄まされたアンサンブルが生み出す真っすぐなロックが、マグマの様な熱さで聴き手の胸を震わせます。

 作品としては、4人編成になって以降の最高傑作とも評された前作『NO ALBUM -無題-』から延長といえるものでしょう。揺るぎなき信念と鉄の意志を持って前進を続けた彼等の音像。ブッチャーズらしい哀愁と轟音が渦巻き、明日へと生きるメッセージ性の強い詞を吉村氏が逞しく熱烈に歌い上げます。その上で奏でられるメロディは、さらにセンチメンタルな響きを持ち、職人的な味わいのポップさが随分と効いている様な印象もあり。ハードコアの芯を感じさせる激しくて力強いサウンドなのに、全ての喜怒哀楽を享受する様な包容力を持ち合わせている。その歌と演奏は全てを受けとめて、ただただ真っすぐに未来へのエネルギーと化す。また、緩急に富んだ#6「Techno! chidoriashi」やこれがラスト・トラック?と全ての人の意表を突く#10「アンニュイ」のような大胆な新機軸で驚きを与えてくれていたりもします。

 その中でも豪快でパワフルな中にメロウさが広がる#1「レクイエム」、キャリア屈指の大名曲である#3「デストロイヤー」の力強い躍動と猛烈な熱量に感服。心がくじけそうな時、途方もなく大きな壁にぶち当った時には、太陽のように熱く眩いブッチャーズのロックンロールがある。己と戦い続け、北の寒空を突っ切ってきた男達の青春28年目の集大成。そして、彼等の残した音楽はまた明日へと語り継がれていく。

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