終わらないヘヴィロック求道者の旅 SUMAC『The Deal』

 2010年6月に解散してから約5年、気づけばISISと言えない世の中になっていました、ポイズン…。そんなISIS(the Band)の大頭脳であるアーロン・ターナー(現在は、Mamiffer、Old Man Gloomなどで活躍)を中心に、ブライアン・クック(Russian Circles)、ニック・ヤキシン(Baptists)と集結した3人組の1stアルバム。。

 アーロン総帥による久々のスラッジメタル・バンドは、6曲をかけて辿り着く着く暗黒大陸スーマック。様々なことに吹っ切れたかのような無慈悲で殺伐としたサウンドは、1st『Celestial』期までのISIS(the Band)っぽい感じであり、鬼神・GODFLESHのようにも感じ取れます。なぶり殺すかの如き重いリフを反復しながら、ドスの効いた咆哮を轟かせ、ブライアンやニックがリズムでコントロールしていく形。遅く重いを基本線にミニマルに展開する楽曲が主となっています。そういった中で怒りと重量感と血生臭さはかなりもので、長年温めていた構想がしっかりと具現化されている印象は強い。

 しかしながら、静から動へと単純に転移しない。縦軸・横軸ともに不安定なスラッジメタル曲線を描くような感じであり、寸止めにも達しない段階で半ば強引な形で曲の表情を変えていく。それは、突如のアンビエントなMamiffer風味であったり(実際に奥さんのフェイス・コロッチャが参加)、煉獄のドローンであったり、苛烈なハードコアであったり、即興であったり。しかも、ラストにはまるでギター演歌のような#6「The Radiance of Being」も用意。この多様な変質化はOld Man Gloomとも通ずる部分はあるにせよ、それを超える予測不能さで混沌を深めています。#3「Hollow King」にしろ、#5「The Deal」にしろ、相次ぐ転調と変貌ぶりに思わず嫌な汗が流れ落ちるもの。重厚なサウンドと奇抜な展開でどこまでもこじ開けていこうとする姿勢が伝わってきます。

 本作のリリースは、ヘヴィロック求道者の旅が終わってない事の証明といえそう。さらなる拡張を未だに成し遂げようと画策するアーロン総帥の野望が、このSUMACで再び見ることができそうです。

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