2004年1月~2017年7月まで13年間、音楽サイトとして運用。4年ぶりに形を変え、2021年6月より再始動。

メロディの贅沢よりも極めつけの重音を SUMAC『What One Becomes』

 アーロン・ターナーを中心に、ブライアン・クック、ニック・ヤキシンという支配者級(クエストクラス)の3名によるゴリゴリスラッジ・バンドの2016年6月にリリースの2作目。昨年のleave them all behind 2015によるライヴは凄まじいものでしたが、古い教会にてCONVERGEのKurt Ballouがレコーディングを担当した本作も裏切りません。

 スタイルとしては前作の上積み。重圧的なスラッジメタル風ギター・リフの反復を主に、殺伐としたダークサイドに入り浸りさせるように肉体的&精神的に追い込みます。その中にエフェクトを駆使した幅のあるノイズ爆撃、インプロ的な怒涛のラッシュ、音数を絞った呪術・密教的な展開などのテイストを盛り込みながら、長尺ゆえの緩急/ダイナミクスで圧倒。前作同様に型に収まらない不規則な展開を信条とするSUMACですが、ブライアン・クックとニック・ヤキシンのリズム隊が前作にも増して強烈なプレイで支えます。そこにアーロン総帥を加え、さながら鬼神、風神、雷神による鉄壁のアンサンブルが繰り広げられるわけです。

 そういった多彩なアイデアが衝突しながら様々に轟く#2「Rigid Man」を中心に、平均10分を超える全5曲を収録。緊張感がゆるむ場面はないし、メロディなんて贅沢もさせてもらえません。水を飲ませてもらえない過酷な昔の部活動のレベルですが、この非情さとストイックさがSUMACの根幹にあるのは事実でしょう。全て聴き通すヘヴィさは、もちろんあります。ただ、彼等の生み出す新時代のヘヴィロックはかくも厳かですが、永遠に刻みつけるような衝撃がある。本作のハイライトとなる17分超え「Blackout」で鮮やかな暗黒が見えるはずです。

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