90’s EMOの名盤。American Football『American Football(LP1)』

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 1999年リリースの1stフルアルバム。マイク・キンセラがもともとやっていたCap’n Jazzは、御存知の通りに奇天烈で爆発力のある激エモ/パンクと言った感じで、10代の初期衝動を大いに感じる作風でした。対してこのAmerican Footballは、凪いだ海のように穏やかなサウンドと染みわたるような歌心が特徴です。

 美しいアルペジオと柔らかなマイクの歌声、さらには長閑な空気を持ち込むトランペットの音色が切ない哀愁を漂わせていく。決して激しさを売りにしたものではなく、ポストロックにも連なっていく流麗なサウンドが心を惹きつけます。冒頭を飾る#1「Never Meant」はまさしく彼等の特徴が表れた名曲だし、優しいメロディやトランペットとともに感傷的に夏の終わりを迎える#2「The Summer Ends」、Peleやtoeといったインスト・ポストロック勢にも影響を及ぼしたであろう#3「Honestly?」といった曲も軽やかで清涼感に溢れたもの。どこまでも広がる草原の上で夕陽を眺めるかのような#8「Stay Home」もまたセンチメンタルな気分にさせられます。

 90年代エモ特有の枯れた味わいに加え、滑らかな展開と美しいメロディが最上の説得力を持っています。そんな全9曲で綴られた本作は、90年代エモを語る上で欠かせない名盤のひとつ。2014年に再発された2枚組デラックス・エディションでは、未発表のデモ音源やライヴ音源を収録。本作をまた一段と輝かせています。

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