前衛的、哲学的に。MORRIE『HARD CORE REVERIE』

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DEAD END/Creature Creatureの核であるヴォーカリスト。他を寄せ付けない孤高のカリスマとして、音楽シーンに大きな影響を与えている。

 2005年にベストアルバム『Ectoplasm』のリリースはあったが、オリジナルとしては『影の饗宴』以来、約20年ぶりとなる2014年末にリリースされた4枚目。青木ロビン除くdownyの面々やSUGIZO(LUNA SEA、X JAPAN)、ササブチヒロシ、秦野猛行、yukarie、FIRE、奥さんのHeather Paauwe等が作品に参加しています。

 殺戮の雪を降らせる五十路の超人がソロとして再び降臨。先に言及するとソロ作品は、DEAD ENDやCreature Creatureとの距離を取ったものです。以前の作品(前述したように20年前になるが)では、ジョン・ゾーンやロリ・モシマンといったアーティストと組んで前衛的な音世界を繰り広げていました。

 本作でもアヴァンギャルドな作風によって異界は流転しますが、ややロックへの揺り戻しを感じさせる内容。AOR、プログレ、インダストリアル、フリージャズ、現代音楽等の用語が過去作では飛び交いましたが、それらが凝縮して自然な形で出し入れされている印象でした。MORRIEの紡ぐ哲学的な詩や艷やかで麗しい歌唱を核にし、実力派演奏陣と共に彩っていく全11曲。まさに奇異な芸術といいましょうか。

 downy3/4と共に身悶えるようなトチ狂ったハードコアを掻き鳴らす#1「Prologue:Go Under」、ひらひらと桜吹雪が舞うような#2「春狂え」と序盤を飾り、雪月花やジョルジョ・デ・キリコの「不安にさせるミューズ­」にインスパイアされて制作したという曲も登場。

 聴いていると以前と比べてファルセットの多用が耳を引くが、幻想的なクリーン・トーン、そしてフリーキーに炸裂するサックスやストリングスなどが複雑に絡み合い、化学反応を起こしています。小規模なオーケストラとして成り立ち、多彩な形でもって翻弄する御大の音楽からは、個人的にKayo Dotとの親和性を感じるところ(ブラックな苛烈さは無いが)。時として陰負の感情を焼き付けることもありますが、鋭く牙を剥くよりも不思議と包容力を持った救いの音楽として成り立っている印象は強い。

 張り詰めた緊張感の中で喜劇と悲劇が繰り返されるような大曲#9「Unchaind」、アルバム最長となる9分強#11「Killing Me Beautiful」といった終盤では、官能的な美しさに耽溺します。また、ソロ故にMORRIE原液そのもので作られているだけに味も濃ゆい。BUCK-TICKもそうだが、時代の変革に対応しながら、想像力を羽ばたかせてロマンティックな、余りにロマンティックな音楽を生み出す。そして、あなたも「MORRIEに首ったけ」となるのです。

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