初武道館にして恐るべし BABYMETAL『LIVE AT BUDOKAN ~RED NIGHT~』

 「赤い夜 LEGEND “巨大コルセット祭り”~天下一メタル武道会ファイナル~」と題された日本武道館2DAYSの初日公演を収めたライヴ・アルバム。2015年リリース。当日は紙芝居もアンコールも無しで、世界に大和KAWAii旋風を起こした1stアルバム『BABYMETAL』を全編生演奏で披露しておりました。神バンドを担当したのはレギュラー面子の大村孝佳、Leda、BOH、青山英樹の4人。また、マスタリングはかのTed Jensenが担当している(彼は「これまでに全く前例がない形でポップとメタルを融合した」とBABYMETALを評価)。

 本ライヴには僕も足を運び、BABYMETALという存在の凄さを感じました。少女たちと生演奏のケミストリーは、巨大魔法陣の上で相乗し、極上のエンターテイメントと化す。神バンドのテクニカルな演奏から繰り出される鋼鉄重低音は、Ted Jensenによって分離が良くクリアで広がりのある音へ。スタジオ盤以上に生々しいダイナミズムを感じる仕上がりになっています。それぞれのパートのソロも盛り込まれ、BABYMETALの土台を支えるバンドが只者でないことを証明。ただ、#7「悪夢の輪舞曲」の前にも神バンドのオン・ステージも印象的だったので、こちらもカットせずに収録して欲しかったですね。

 もちろん、核となっているSU-METALの歌声がその演奏を巻き込んで束ねていくように、なお力強い響きで魅了。ピアノ・ヴァージョンから始まり、Xオマージュの「アカツキだぁぁーっ!」の叫びで一気に火をつける#10「紅月 -アカツキ-」は特に衝撃的で感動的でありました。本当に稀有な才能。YUIMETAL&MOAMETALによる「おねだり大作戦」~「4の歌」は、曲がりの大きな緩い変化球のような楽曲ではあるが、堂々としたKAWAiiパフォーマンスで熱狂を生み出していました。「4の歌」はこの日が初披露なのに、ヘヴィな演奏に中和して盛り上げる2人の14歳(当時)、恐ろしい。

 #12「ヘドバンギャー!!」の時には、YUIMETALが神かくしに合うアクシデントがあったが、そのまま収録。しかしながら、1人欠けた状態であることを感じさせないのは、2人のプロフェッショナルな振る舞いがあったからこそ。ちなみに当日は来場者全員に、心ゆくまで・・・ではなく首が逝くまでヘドバンせえ!という感じでコルセットが配られてました。それ故に天下一メタル武道会に相応しいほど頭を振り、野太い声が響き、キツネサインが高々と突き上げられて大熱狂。本アルバムにも声だけは収録されているわけですが、聴いていると当日の熱い感動というのが自然と蘇ってきます。

 なお、本作の初回限定盤には新曲「Road of Resistance」がDLできるフォト・ミュージックカードが付属。イギリスのメロスピ・バンドであるDragonforceのギタリストであるサム・トットマンとハーマン・リが参加したこの曲は、聴いての通りにモロDragonforce(笑)。「速くなきゃメタルじゃねえ」と誰かに脅された影響か、ベビメタンフォース(少なくともドラゴンメタルとはいえないw)と言えるぐらいに堂々たるメロスピ・チューンであり、彼女達の新しいアンセムとして君臨するだろう曲になっています。

 改めて、とてもアーティスティックなライヴ作品。オリジナル・アルバムよりもメタリックな感触で迫力増量。既発曲のほぼ全て+新曲もついてくることを考えても、入門編に十分に薦められます。

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