世界へ攻める BABYMETL『METEAL RESISTANCE』

¥5,680 (2021/07/09 05:45時点 | Amazon調べ)

 約2年ぶりとなる2016年リリースの2ndフルアルバム。名刺代わりの前作が前例のないレベルで世界に波及したとはいえ、本作でポップには寄せずに密度濃く。ドラゴンフォースとフュージョンを果たした#1「Road of Resistance」から始まるメタル~ラウドロック系のサブ・ジャンルの横断は、これまでよりさらに広く深いところへと向かっています。本作収録曲はライヴで少しずつ披露されてきたわけですが、フタを開ければこのレンジの広さと楽曲の尖りっぷりに衝撃が走りました。

 デジタルハードコア(#3「あわだまフィーバー」)、ヴァイキング・メタル(#6「META!メタ太郎」)にブラックメタル(#9「Sis.Anger」:タイトルはメタリカのオマージュだけど)と飛び火し、いずれも劇薬と呼べるくらいに効く。特に野球応援歌のような仕上がりとなった#6「META!メタ太郎」は彼女達ならではの飛び道具でしょう。それに#4「ヤバッ!」はスカ要素の入ったFear, and Loathing in Las Vegasのように感じさせ、ドリーム・シアターばりのプログレッシヴ・メタル組曲#11「Tales of The Destinies」~#12「THE ONE」では、「何だこのお嬢ちゃんたちは?」と眉間にシワ寄せるメタルおじさんたちを落城させにかかります。

 このように質実剛健のメタルにハイパー柔軟剤であるKAWAiiをぶち込んだサウンドは、とんでもない角度からズバッと切れ込んできます。ただ、KAWAiiやPOPの要素が前作より薄め。1stアルバムにおける抜群のキュートさ、YUI&MOAの合いの手の絶妙さはあの頃だったからこそできたことなのかなあと思います。ただ、その分は世界を駆け巡った中での経験から来る自信、彼女達の心身の成長に合わせてアーティステックな面を押し出している印象がありますね。そこへと導くKOBAMETALを始めとした運営陣のアイデアや信念も十二分に伝わります。

 メタルを最適化しているわけでは決してなく、やっぱりBABYMETALらしいOnly Oneを追求していると感じました。ズッキュンとくるKAWAiiのフックと重低音は変わらずに素晴らしい。このチームがもたらす幸せな興奮は、本作においても国内外問わず波及していくことでしょう。

 本作の個人的なベストはV系メタル風に駆け抜ける#7「シンコペーション」と言いたいところですけど、リード曲となった#2「KARATE」でしょうか(MOAMETALもお気に入り)。日本の武士道精神をDjentコアに乗せてセイヤ!ソイヤ!して世界に”和”を叩き込んでくれます。前作の「紅月」と対となる超メロスピ曲#5「Amore – 蒼星 -」もスリリングな衝動と泣きの連続で好み。

 ちなみにTHE ONE限定盤も購入しましたが、バージョン違いとなる#12「THE ONE -Unfinished Ver-」が無差別級のカタルシスあり。#8「GJ! -ご褒美編-」と合わせて贅沢の極みであります。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

目次
閉じる