おぞましい音世界と異型の煌き あさき『天庭』

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   『BEMANIシリーズ』で一番人気を誇るといわれている、あさき氏の7年半ぶりとなる2ndアルバム。といっても自分は、BEMANIとは無縁なんで存じ上げませんが、各方面で高い評価を獲得しているようなので聴いてみました。

 ”ヴィジュアルではなく京都メタル”や”プログレメタルに近い”と自身で述べているようだが、この密度・濃度には参った。それは、初期のLa’cryma ChristiやJanne Da Arc、そこに近年のDIR EN GREYや復活以降のDEAD ENDが示すような重く妖艶な世界観が交わったような強烈なインパクトがあったからです。

 確かにヴィジュアル系でプログレ、メタルという音の解釈に間違いはない。たが、それだけで終わってない独創性を発揮。10分を超える表題曲#2「天庭」からして、目まぐるしくダイナミックな展開に圧倒されることだろう。牙を剥くギターにもの悲しくも攻撃的なストリングスが絡み合い、ポップさを上手くミックスさせながら闇を駆け抜けていく。彼の音楽的要素が凝縮したこの曲は、『このアルバムは,「天庭」がすべてです。』と本人が語るのも頷けます。

 MORRIE御大に強く影響を受けてそうな歌い方や詩世界、これらも個人的に惹かれる要因である(ギターは、ラクリマのHIRO氏っぽい印象を受けた)。90年代のヴィジュアル系という印象は強いですが、ロックからシンフォニック・メタルや舞台音楽、クラシックといったものまでが様々に顔を出し、おぞましい音世界に異型の煌きを与えているのは大きい。

 また、陰陽座っぽく徹底的に”和”を重んじている点も彼のセンスの成せる技。#5「つばめ」みたいなエピックなシンフォ系ヴィジュアル系メタルから、暗黒舞踏会を繰り広げるかのような9分半の#8「まほらぼ教」のような楽曲、それに遊び心を入れながらも緊張感を損なわない短尺のSEまでが飛び出してきますが、「愛とひと」をコンセプトに据えた天庭の世界観に全くブレはない。作り手の信念を隅々にまで感じさせる15曲75分の超大作、聴き応えは十分すぎます。

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