ここが混沌の始まり SlipKnoT『SlipKnot』

アイオワが産んだ猟奇趣味的激烈音楽集団による衝撃のデビュー作!ヴォーカル、2ギター、ベース、ドラム、2パーカション、DJ、サンプラーという総勢9人からなる怪物が、まさに世界を飲み込むべく産みだした、現存するヘヴィ・ミュージックを木端微塵に打ち砕く凄まじい音像が渦巻くデビュー・アルバム。スリップノットの混沌の歴史は、ここから始まった…。「(シック)」、「ウェイト・アンド・ブリード」、「スピット・イット・アウト」他収録。1999年作品。

 猟奇趣味的激烈音楽集団の記念すべき1stアルバム。わたしは2003年に2nd→1stと遡って聴いています。完全にふざけている格好・風貌からは、まるで想像もつかない驚愕の作品です。ヘヴィメタルやオルタナティヴ、ヒップホップ等を飲み込んで放たれるサウンドは、かつてニューメタルと呼ばれましたが、新種のラウドロック/ミクスチャーとして世界に与えた衝撃は大きいものです。

 奇怪に揺れ惑う#1「742617000027」で背筋を震わせ、超弩級のインパクトを与える#2「(Sic)」で完全にぶっ飛ばされます。(「へっこんだペー」)。ヴォーカルにツインギター、ベース、ドラムという編成にとどまらず、2人のパーカッションにDJ、さらにはサンプラーを擁する9人もの大所帯。そこから放たれる猛烈なサウンドは、あまりにも壮絶。#3「Eyeless」や#5「Surfacing」、#8「Liberate」にしても破壊力は抜群。特にコリィ・テイラーの鬼気迫るヴォーカルは、初期のスリップノットの一番の武器になっています。

 凶悪なまでのヘヴィネスを生み出す楽器隊も凄まじい。パーカッションまで交えたリズムの分厚さは特筆すべきものだし、スクラッチやラップ調の歌なんかも入ることでの変化のつけ方も巧い。こういった軽妙さがヘヴィネスの限りを尽くした音に、良いスパイスとして効いています。ポップな面も引き立たせて彼等のアンセムとして君臨する#4「Wait And Bleed」、ヘヴィなリフとラップで捲したてながらサビはキャッチーに仕上げる#6「Spit It Out」辺りは、彼等らしい。平均して3分台というコンパクトな楽曲設計もまた、アルバム全体のスムーズさに繋がっています。

 いずれにしてもこの9人が提示した本作は、革新的なものです。それに加えて、獰猛なサウンドと奇抜な見た目、このギャップが世界で支持された要因のひとつともいえるでしょう。100万枚以上を売上げ、想像以上の成果をあげた1stアルバム。「マジでリアルにヤバイから!」と某芸人も言いそうなぐらい、ここが混沌の始まり。

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