極みの激しさ SlipKnoT『IOWA』

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 1stアルバム『Slipknot』で世界中の話題をさらったグロテスクマスク&つなぎ集団の2ndアルバム。タイトルは自分達の出身地より。これが全米初登場3位、日本でもオリコン初登場4位を記録した、とんでもない作品です。売れたということは幾分か聴きやすくなっているのか・・・と思いきや、ここに存在したのは1stアルバムを凌駕する凶悪無比な音塊。重戦車のごときギターリフと非道なブラストビート、怒りの咆哮が地殻変動を起こす#2「People=Shit」からして残忍さの極みです。スカウターで戦闘力を図ったら、間違いなく壊れます(笑)。

 前作の時点でも化け物でしたが、怒りや憎悪をエンジンにここまで激烈な音楽へと昇華してみせるとは驚き。暴虐のスクリームと怒涛の重低音が鼓膜を押し潰す#3「Disasterpiece」、 #6「The Heretic Anthem」も本当に容赦なし。リミッターが完全に外れて、一面を焼け野原にでもせんとばかりの破壊力です。それだけでなく、キャッチーな面も整合性の取れるギリギリで生きており、「近づきすぎたらお前を殺してやる」と歌ってるわりに耳馴染みの良い#8「Left Behind」はMUSIC VIDEOにもなっています。獰猛さと抒情性の両立は、スリップノットが他と一線を画す理由のひとつ。

 しかも#7「Gently」や#14「Iowa」といった曲では、Toolを思わせる暗黒プログレッシブで重苦しく精神を攻撃。あらゆる方面からのエクストリーム・サウンドを志向。全体を通して緩急をつけながら、極みの激しさで聴き手を制圧する。惜しむらくは、曲の出來・不出来の差があり過ぎるように思うところでしょうか。とはいえ、音楽的な成功も商業的な成功も収めた2000年代のモンスター・アルバムの一枚ではあるでしょう。

 最後にわたし個人のお話をさせていただくが、この『Iowa』が洋楽で初めてまともに聴いたアルバムです。初めての#2「People = Shit」や#6「The Heretic Anthem」は、今までにない稲妻のような衝撃が体中に走りました。それはそれは壮絶な音楽体験になり、洋楽のうるさいロックの源流となっています。

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