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グルーヴ重視の印象 SlipKnoT『All Hope Is Gone』

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 前作から4年ぶりとなる4thアルバム。2008年リリース。1stアルバム『Slipknot』と2ndアルバム『Iowa』では、極限の憎悪が渦巻く激烈混沌ヘヴィネスで全世界を制圧。解散寸前までいった前作の3rd『Vol.3』ではリック・ルービンの元で、脳髄をぶった切る強烈なサウンドを少し減退させ、新境地といえるメロディアスな面を強調して世界の度肝を抜きました。

 そして、”All Hope is Gone = 全ての希望は消え去った” と名付けられた本作のリリース。なるほど、やっぱりこういう作風できちゃったか、という感じのSlipknotとStone Sourが中和したようなものであり、前作の路線を推し進めた作品といっていいかもしれません。Stone Sourの要素は前作でも感じられたが、美しく響き渡るバラードの#11「Snuff」でもお分かりの通り本作はそれ以上の混成具合。もちろん Slipknotお約束である#2「Gematria」、#12「All Hope Is Gone」のように凄まじいまでの音圧と暴走した狂気が支配する激烈曲は健です。

 だが、それら2曲を除けば暗黒的な雰囲気を醸しだしたヘヴィロックといった印象が強いですね。9人が生み出す独特の有機的グルーヴに引きずり込まれるし、さらに歌を重視するようになったヴォーカルにも熱きものがこみ上げくる。特に#8「Gehenna」ではダークな質感とメランコリーの両端が際立った楽曲に仕上がっています。しかし、これまでの作品に存在したスバ抜けた曲というものが存在しないこと、以前のように9人が掛け算して生まれる凶暴なエネルギーがやや弱いのが少し寂しく思えてしまうところ。Slipknotであればもっとできるはず!と物足りなさを感じる人間はいると思います。

 これまでの過程を踏みしめて多様な音楽性を披露し、グルーヴを重視したような作風は前作以上に賛否を分けました。まあ、わたし自身も正直なことをいえば、「SlipKnot から “すりっぷのっと”」へ表記が変わった印象を持ってます。ここまでに発表された4枚のアルバムの中で、一番聴いてないというのが実際のところです。

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