叙情派エモ Cross My Heart『Temporary Contemporary』

 アメリカ・バルチモアの叙情派エモ・バンド、Cross My Heart。Deep Elm Recordsから2000年に発表した2ndアルバムにしてラスト作です。彼等もまた表舞台でその力を発揮することは無かったようだが、静かな熱をたぎらせながら奏でる情緒的なエモでコア層を中心とした人々の胸を打ちました。クリーントーンを主体に彩られる淡く切ないサウンド、繊細な歌心を持ったRyan Shelkettのヴォーカルを聴いてもわかるとおりに、当時の90’s EMOの流れを汲んでいます。

 清流のようなメロディは、それこそMineralやPenfoldといったバンドの影響下にあるように感じますし、ドラマティックに楽曲を織り上げていく点もまた惹かれる要因でしょう。ただ、彼等の場合はもっと落ち着いた雰囲気があり、”歌”に重点がかなり置かれているように思います。#1「The Great Depression」を皮切りに、切なく綴られる楽曲の数々には、思わず涙腺が緩む。しかしながら時折、声を荒げて叫ぶのも御愛嬌。そんな繊細でいて力強いメッセージのこもった名作です。

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