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漢字二文字縛りとメンバー全員が作詞作曲に参加 Plastic Tree『echo』

 1997年にメジャー・デビューを果たした日本のヴィジュアル系ロック・バンド、Plastic Tree。UKロックやニューウェイヴ、シューゲイザーといった素養を着実に昇華しながら、キャリアを重ねて地位を固めています。

 バンド結成20周年第1弾リリースとなる7曲入りミニアルバム。2014年作。前述のようにキャリアは長いが、ミニアルバムとしての発表は初だという。さらに本作ではメンバー4人全員が作詞・作曲に参加し、収録曲の曲名が「木霊」「輪舞」など全て漢字二文字に統一されている。

 そういったコンセプチュアルな作りから、奇をてらったことに走ってるかと思えばそうでもない。柔らかいアブストラクトな音像で作品のイメージを膨らませるインスト#1「木霊」からスタートし、軽快なリズムとざっくりと刻むリフで強引に雰囲気を変える#2「曲論」へと進み、ナカヤマアキラ作曲のアップテンポでキャッチーな2曲#3「嬉々」と#4「輪舞」がキッチリと落としにかかる。UKロックやシューゲイザーの憧憬を彼等なりに昇華し、さらには独特のセンチメンタリズムが通底した近年の彼等を象徴するような曲が揃っている。

 シャープで切れ味のあるギター・リフから哀愁を帯び、中盤ではアンビエンスなパートも盛り込まれたシングル曲#5「瞳孔」からのラストの流れもとても良い。佐藤ケンケン作曲の#6「雨音」では憂いを帯びたダークな曲調ながら、サビではエモーショナルな一面も見せ、締めくくりの#7「影絵」では美しい轟音ギターと柔らかな鍵盤の旋律が春風を運ぶ。全7曲約28分という収録内容で、メンバー全員が作詞作曲に参加するという制約/実験を用いながらも、いずれもがプラトゥリらしさが貫かれているように思う。近年の彼等を知るという意味ではうってつけの一枚に仕上がっている。

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