『VULGAR』に続いては、DIR史上で最も重くて濃ゆい8thアルバム『DUM SPIRO SPERO』ツアーです。今回も2DAYSのうちの2日目に参加しました。集客としてはド平日ということもあって少し寂しい感じでしたね。
『DUM SPIRO SPERO』はご存知のように、傑作と評される7thアルバム『UROBOROS』のさらに深くへ入りんでいく長大複雑重厚なのが特徴です。京さんはラジオやインタビューで1番気に入ってるアルバムと話していますが、独特の日本語詩とヘヴィなサウンドで紡がれ、入り組んだ構成も手伝って魑魅魍魎としたエネルギーを放出しています。ライヴでは映像が加わり、余計にその濃度が濃くなる。どうしてもここにピークがきてしまうと思いましたが、紗幕を使った演出が印象的だった『蜜と唾(新)』~『DIABOLOS』の流れは、人間の根源に問いかけるように深くに刺さる感覚を覚えました。
今回は全編において、しっかりと心身で受け止めるというような感じのライヴが続きます。『VULGAR』のときとは違って、ライヴ中は押しもほとんどなく、みんながみんな見入る感じ。儚く美しい「LOTUS」をスタートに、「THE BLOSSOMING BEELZEBUB」でドゥーミーに揺さぶり、「流転の塔」や「VANITAS」では感傷を誘う。新曲「詩踏み」や『ARCHE』の曲も披露していますが、『DUM~』との濃度の違いってのは十分に感じ取れるものではありました。特殊な製法で全く薄めず、逆にどんどん足して濃くしたみたいなところがこのアルバムにはあるっちゃありますが。
アンコールで披露された「新曲」は「詩踏み」に続いて疾走感のあるアグレッシヴな曲(のちにこれが「軽蔑と始まり」であったことが明かされる)。間もなく20年を迎えるのに、限界なんてねえという感じはらしいといいますか、嬉しいところであります。インタビューでも語っているように単純に過去のアルバム・ツアーというわけではなく、最新型も見せるという趣旨は伝わります。でも、次のアルバムはどんな内容になるのかが全く想像つきません、それこそがDIR EN GREYといえばそうでしょう。
次の鬼葬ツアーが待ちきれないところですが、その先の2017年1月が『UROBOROS』ということで楽しみは尽きません。
‐‐‐setlist‐‐‐
01.LOTUS(Symphonic Ver)
02.DIFFERENT SENSE
03.詩踏み
04.Cause of fickleness
05.Midwife
06.滴る朦朧
07.蜜と唾
08.DIABOLOS
09.THE BLOSSOMING BEELZEBUB
10.AMON
11.流転の塔
12.暁
‐‐‐encore‐‐‐
13.VANITAS
14.Unraveling
15.新曲
16.Un deux
17.激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇