石井秀仁(cali≠gari, GOATBED)、kozi(ex. MALICE MIZER)らが謎の団結を見せた鬼才4人組バンド。ニューウェイヴやエレポップを中心に奇天烈ポップを大胆ゴージャスに聴かせます。本記事は1stアルバム『艶℃』について書いています。
艶℃(2011)
1stアルバム。全10曲約39分収録。さしずめ、koziさんという大先輩を擁して創り上げるGOATBED最新型といったところでしょうか。当時のGOATBEDは年々、デトロイトテクノ~ミニマル風に変化していきましたが、XA-VATは怖いもの知らずと言わんばかりの振り切れ具合(笑)。
お得意のニューウェイヴやエレポップといった主要素をさらにゴージャスな煌きに磨き上げる。インダストリアルやポジパン、デジロックも加味しみながら激しく優雅に聴き手を揺さぶります。なかにはTM NETWORKリスペクトな楽曲もあったりするし、EDMに対しての挑戦的な想いもあったのかもしれません。
エッジの立ったギターやバキバキに効いた重低音が揺らすビートが、強烈過ぎて強烈過ぎて・・・。でも、当然ながらこのサウンドの中でも映える石井さんの歌声が、甘い響きを加えていく辺りが計算されています。ランニングタイムこそ短めですが、妖しくうねり回るクールな一撃#1「BLACK RUNWAY OF DEVILS」、らしさ全開の煌びやかな4つ打ちエレポップ#3「Mecca」、ある世代が狙い打ちされそうなグラマラス・ダンス・グルーヴィン#4「VAT-DANCE」など佳曲揃いで充実の内容。
海外セレブでも意識したのかのような謎に突出したファッションであったり、やたらと洒落乙なMVであったり、全てにおいて魅せるエンターテイメントに特化している点も大変良い。この才能が融合すれば、痛快な刺激と中毒性は当たり前。結局のところ、文句なくカッコよくてキュートなオジサンお兄さん達という結論。