アメリカ・フロリダのエモ・バンド。Topshelfが送り出すこのバンドは、昨今のエモ・リバイバルの中でも印象的な輝きを放ちました。2009年から2017年まで活動し、2枚のアルバムをリリース。本記事は2ndアルバム『Keep Doing What You’re Doing』について書いています。
Keep Doing What You’re Doing(2014)
アメリカ・フロリダのエモ・バンドの約2年ぶりとなる2ndアルバム。プロデュースは、Into It. Over ItのEvan Weissが務めている。
Topshelfが自信を持って送り出す、彼等もまた昨今のエモ・リバイバルのムーブメントに関わるバンドといえるだろう。骨格のどっしりとしたサウンドの中にしなやかさがあり、郷愁を誘うようなメロディがあり、蒼々しいエモーションがあり。
実にTopshelfらしい優良バンドで、Get Up KidsやAmerican Football等に影響を受けたそう。勢いよりも味わいに重点を置いたつくりをしています。洗練されたという表現は当てはまりますが、渋い哀愁を漂わせる辺りもちょっと癖になる要因。特にヴォーカルの表現に長けており、少し枯れ気味の声で歌うのが大半だけど、寄り添うように優しく歌い上げるのもお手の物。
挨拶代わりのエモ・パンク#1「Match & Tinder」、シンプルながらも夜空の星のようなロマンが感じられる#3「Strong Island」、シューゲイズ風のギターも飛び出す哀愁と泣きの1曲#5「House Address」等で要所を締めつつ、ttngを思わすようなマスポップを聴かせる#7「Rock Springs」という変化球もキまっています。
さらにラスト#10「Better To Best」をシンガロンガも印象的。全10曲34分と軽めのランニングタイムであるが、じっくりと噛みしめて味わいたい一枚に仕上がっている。