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Road Eyes(2010)
UK出身マイケル・フィーリックが率いるシューゲイザー・バンド。本作は3rdアルバム。さらに力強く艶やかなフィーリングに満ちています。美しいコーラスワークとメロディを軸にゆるやかに拡がっていく#1でまず惹きつけ、一気に畳みかけ加速するラウドなアンサンブルが牽引する#2で興奮をもたらします。マイケルの草原から響くような切ない歌い回しはますます情感を深め、それを重厚なボトムとギター・ワークがしっかり支えている。
シューゲイザーの括りで語られるにせよ、パンクの焦燥感やグランジの退廃的雰囲気を感じさせる作風でしたが、本作における煌めきとダイナミズムの融合はかなり理想的。夢見がちなシューゲイズの中でここまで力強さと疾走感を提示するのが凄い。飽くなき音の拘り・繋がりを意識して14回もミキサーを変更したことからもお分かりの通り、表層を覆う粒子の硬軟にまで細心の気遣いが成されている。
押し寄せるフィードバックの裏で歌メロがグッと効く#6、ストリングスが絶妙に轟音の中に溶けていく#9もインパクトあり。切ない感情を湧きたてて昇華させていくような全体の流れもよく、期待された想いを決して裏切らない快作だと思う。力強く浮かび上がるエモーショナル、そして陶酔度の高さにのめり込む方も多いはず。
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