2000年代後半~10年代前半にかけてUKインディーロック~シューゲイズ・シーンをわかせた5人組。ここ日本では独自編集盤が企画リリースされ、来日公演を行うなど人気を誇りました。
2012年に1stフルアルバム『Moth』をリリース。この後に活動休止をしているので唯一のフルアルバムとなりますが、男女ヴォーカリストのハーモニーや軽やかな疾走感、甘いメロディをまとう内容で絶賛されていました。
本記事は同フルアルバムについて書いています。
アルバム紹介
Moth(2012)
男女ツイン・ボーカルのシューゲイズ/ドリームポップ・ バンド。本作は1stアルバムにして最終作。
”UKのPains~”と評されていたりする。甘美さ、瑞々しさ、ナイーヴな歌心が結晶化する楽曲群。ネオアコやシューゲイザーの味を見事に膨らませたこのサウンドが、甘酸っぱい青春を思い出すような懐かしい感触があります。
本作はなんといっても#1「Starlight, Starlight」が抜群の完成度を誇る。男女ツイン・ヴォーカルが聴かせるハーモニー、清涼感さえあるノスタルジックなメロディ、春風のように軽やかな疾走感。このキラキラの大名曲は、初めて聴いた時に一瞬で心を奪われました。
草原の上で寝っ転がって聴きたいフォーキーな味わいある#3「Emily」、蒼い焦燥感を滲ませたストレートな#5「Blowing Kisses」、時間を忘れるほどに麗しくサイケデリックな#6「Unlovable」、牧歌的なテイストも滲ませた温かくポップな#8「You Forget So Easily」などにも引きつけられます。
そんな瑞々しい青春の煌きと甘酸っぱさが詰まったボートラ含めて全14曲。幅広い曲調も含めて魅力的です。
原石が宝石に変わった瞬間を収めたような1stアルバムであり、切なく胸を焦がし、なおかつ温かい包容力が備わっている点がとにかく良いですね。