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アルバム紹介
Still Life(2011)
Najdaの頭脳、エイダン・ベイカー先生のソロワークス。本隊と同じくソロもお盛んで1年にリリースされる作品は数えきれないぐらいの多さ。それでこちらは、2011年7月に発売された作品で全4曲約50分収録。
基本的にはソロでもNadjaと同期しつつもアンビエントにより踏み込んだ作品が多い。ですが、本作ではドローン的手法は用いずに、ジャズ方面へと歩みを進めたもの。
ピアノ、ドラム、アップライト・ベースのみで楽曲をレコーディングしていて、彼のカタログの中でもいぶし銀の内容になっている。
気品あるピアノの音、それに緊張感を持って静かに刻むドラム、沈み込むようなベースラインをミニマルを基調に組み合わせている感じ。確かめる様に鳴らされる音のひとつひとつがゆるやかに空間に配置されては消えていく。
それでいてどこか暗さを内包した緊迫感のある楽曲へと仕上げており、癒しの心地よさを感じたりもするけど、陰影のある美を上手く抽出している。
#1「Still Lives」はそれこそ静かな午後のひとときに流したい流麗な美しさをもっているけど、細かなピアノの粒が首に冷たいものを押しつけられたかのような感触を与える#3はこの中では異質。
#2や#4もラウンジのような心地よさがある。けれども、緊迫とした演奏に少しずつ刺激を受けます。全体を通して淡白な印象で盛り上がる部分もないですが、彼の探究心と芸域の広さはしっかりと示している。
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