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アルバム紹介
House(2011)
EmeraldsのJohn ElliotとRadio Peopleとしても活動しているSam Goldbergのユニットの2ndアルバム。全6曲約53分収録。
魔法をかけるように操るアナログ・シンセを基軸に、ミニマルにその磁場を広げていくインスト。聴いた感触としてはMark McGuireの抜けたEmeraldsでしょうか。
心地よいアンビエントからGoblinのようなシネマティックな音像、Emeraldsには無いアッパーな曲までを丹念にそしてダイナミックに表現。
さらには細かく散りばめたエレクトロニクスの破片が煌き、自らの声も披露したりというアイデアも交えています。
それらが織り合い、時空を突き抜け、宇宙というキャンパスまでもを染め上げていく鮮やかさと自由さ、そして創造性を発揮している。トランシーな昂揚感をもとらえたサウンド・デザインにかなり驚かされます。
反復する躍動感あるビートと鮮やかに重なるシンセのレイヤーが近未来へと誘う#1に始まり、10分近い#2ではドラマティックで荘厳な世界が表現され、#3や#7ではキラキラとした音の洪水によって無重力のコズミックな海へと無条件で誘われます。
全体を通すと前述したように予想以上にグルーヴィーでアッパーなのが強調されているんだけども、Editions Megoらしいエクスペリメンタルな姿勢は貫かれます。Emeraldsのファンにはすんなりと響く作品です。
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