2003年に結成されたニューヨークのポストハードコア・バンド。2011年まではEnd Of A Year名義で活動を続け、現在はSelf Defense Familyへと改める。サウンドもDISCHORD系ハードコアから円熟激渋のエモへと深化させ、世界のシーンと戦っている。
本記事は4thアルバム『Try Me』について書いています。
アルバム紹介
Try Me(2014)
4thアルバム。なぜかDeathwishからのリリースである。バンドは2003年に結成されており、前バンド名の時は3枚のアルバムを発表。2011年から現表記名へ改名している。
過去作は一切聴いたことない状態ですが、DISCHORD系のポストハードコアを鳴らしていたそう。しかしながら本作の趣向はずいぶんと違っていて、ミドルテンポを中心とした激渋エモを展開しています。
サイケデリックな色も放つギターをゆらりと重ねながら、燻し銀の哀愁を表現。やっぱり一言で表すならば、”渋い”という形容が似合います。ハードコアのエッセンスやどっしりとした芯の強さを含みつつ、エモらしい情けなさも感じます。
#1「Tithe Pig」からして、ポストハードコアの枠組みを外れた楽曲で攻めており、体から無理矢理絞り出してるヴォーカルの声は、枯れ過ぎで少し心配になりますが、独特の風情となって表います。
年季の入ったサイケ感と枯れた歌声が絶妙にマッチしている#3「Turn The Fan On」は、本作でも随一の曲。また、艶やかな女性ヴォーカルを起用した曲もあり、#4「Mistress Appears At A Funeral」では暗めのインディ・ロックっぽい感触。
#7「Aletta」のように音響系~エクスペリメンタルなアプローチを聴かせるシーンもあって、懐は深い。全体を通して円熟した表現力が光る一枚に仕上がっている。