93年に活動をスタートさせてから早20年。”エモ”というジャンルを語る上で欠かせないバンドのひとつであり、現在も精力的に活動中の4人組。
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アルバム紹介
Damage(2013)
活動開始から20年目を迎えたエモの看板バンドのひとつ、JEWの3年ぶりとなる通算8枚目。
彼等の作品で聴いた事があるのは、4th『Bleed American』だけですが、それと比べるとずいぶんと滋味深い作品となっています。テーマとなっているのは“大人の失恋”で感傷的なメロディが問答無用で染み渡ってきます。
全10曲の半数近くでアコギが鳴らされているで妙にノスタルジックに感じられたり、地に足のついた普遍さや身近な温かさがある。
彼等を表現するにあたっては、必然的に”エモ”という言葉が付いて回りますが、本作は燻し銀のロック・サウンドという方がしっくりきますね。60~70年代っぽい古き良き味わいがあり、インディーロックっぽい感触もあるし。
それでも骨太なアンサンブルは健在で、軽快で小気味よい楽曲から、ゆったりとしたスロウテンポの曲までを丁寧に操っている。
思わず口ずさむようなキャッチーさと滑らかな展開が光る#2「Damage」、牧歌的なアコギの旋律に乗せて草原を軽やかに駆ける#4「Book Of Love」、本作の中では一番パワフルで彼等らしいエモーショナルさが全開の#7「How’d You Have Me」などなど。
ベテランの風格と円熟の味わい。ジミー・イート・ワールドの新しい夜明けを告げる様な一枚。
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