ロシアはカザン出身のテクノ・プロデューサー。12歳のころに電子音楽に目覚め、はやくも作曲を開始。若干19歳にして傑作『Depth of Soul』をリリース。 2015 年には自身のレーベルであるSlow Beautyを設立
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アルバム紹介
Depth of Soul(2008)
若干19歳にしてリリースした傑作。”森林浴系ミニマル職人”なる強烈なキャッチコピーがつけられており、深い悦楽に引きずり込むような電子音の洗礼は確かに心地良いです。
わたしが聴いている範囲だとBassic Channelを思わせるディープ・ミニマルが基調に感じます。そこに美しいシンセやグリッチを絡めながら酩酊と覚醒を聴き手にもたらしていく。
ダビーな残響音やエコーが霧がかった演出にキレイめな音粒子が有機的に絡み合っている。そのなかでパーカッシヴなリズムやハイハットの心地よい振動を盛り込むなど、低い重心のビートには一定の工夫も見られます。
また、ガラスがガシャンと音をたてて割れたようなサンプリングや人々の会話が挿入されたりもしている点もおもしろい。優美なアンビエント感覚にタビーな空間性を伴いながらも、深遠な響きを持った電子音が揺らめき続けています。
これは彼自身のインスピレーションに基づいたという独自のサウンド・テクスチャーが形成されていることの証。作品としては、フロア的な快楽よりもスピリチュアルな楽園が広がっている感じで、静かな昂揚感が味わえるはず。
9曲で60分超あるけども聴き続けていると、意識の深層まで開かされていく感覚に誘われる。全体的にはクールで空虚な印象すらあるが、不思議とどこか温かみを感じさせます。森林浴というパワースポットミニマルだからか。
メインアーティスト:Martin Schulte
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