1999年にアメリカ・ノックスビルで結成されたオルタナティヴ・ロックバンド。20年以上にわたる活動を通し、現在までに10作のオリジナルアルバムを発表しています。
2006年にKORNのオープニングアクトとして来日し、同年のサマーソニック06に出演。2007年12月にはDIR EN GREYのツアーのオープニングアクトを務めました(筆者は観ています)
本記事では3rd~4thアルバムの計2作品について書いています。
アルバム紹介
Autumn Effect(2005)
3rdアルバム。全13曲約48分収録。本作よりメジャーレーベルから発売。海外から1年ほど遅れて国内盤がリリース。同年にはKORNのオープニングアクト、SUMMER SONIC06の出演と来日を果たします。
音楽的にはミドルテンポを主体としたメランコリックなヘヴィロックが主体。一撃で相手をノックアウトするような楽曲はありませんが、強いグルーヴ感で心の闇を少しずつ掘っていくかのようです。
精神にせまってくる慟哭のメロディ、透明感と枯れた感を併せ持つヴォーカル、時折入るストリングスが心を揺れ動かします。A Pergect Circleと比較されたりしているようですが、アメリカ産のRasmusっぽい雰囲気の方が強いでしょうか。
楽曲からは陰鬱な雰囲気が渦巻いている。涙腺刺激型の泣きメロソング#5「Wasteland」、ヘヴィなサウンドにのせてエモいヴォーカルが熱気を放射する#7「Half Life」、あまりの哀愁メロディに涙の雨が降る#13「The Autumn Effect」等を収録。
病み付きになりそうな鬱々としたサウンドは、心の奥底で眠っている感情を起こします。
Division(2008)
4thアルバム。全13曲53分収録。2007年12月にはDIR EN GREYのツアーのオープニングアクトで来日を果たしています。前作からの流れを汲むもので、13曲を各駅停車するごとに外の景色は当然のように闇に沈んでいきます。
哀愁と慟哭のメロディ、嘆きのヴォーカルが心の奥底に眠る古傷を思い出させるのは変わっていない。”メランコリックなヘヴィロック”という土台の安定感。
陰鬱な空間を静かに創り上げていく様は、10 Yearsならではの独自性を感じます。その基盤に、もの悲しいバラード調の#5、牧歌的な#7、#11を挟むことでより広がりを感じさせる作品に仕上がっています。
終着駅の#13ではピアノを使った叙情的なエンディングに強く胸を締め付けられ完結を奏でる。闇と美が共存する世界が本作でも表現されています。#3「Beautiful」はアグレッシヴさと元気を抜いたニッケルバックみたい。
前作を気に入っている方なら安心して聴ける作品です。