【アルバム紹介】The Black Angels『Phosphene Dream』

バンド名はVelvet Undergroundの曲名から拝借したという、アメリカ・オースティンのサイケデリック・ロック5人組。これまでにフルアルバム6作を発表しており、2011年にはフジロックに出演。

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アルバム紹介

Phosphene Dream(2010)

  本国・アメリカでは2010年9月にリリースされた3rdアルバム。ここ日本でもフジロック出演の吉報からか、11年7月頭にめでたく国内盤が発売の運びとなりました。

 もう聴いてすぐに“サイケデリック”と叫びたくなるような作品です。螺旋状に激しく波打つギターが平衡感覚を失わせて、強烈なトリップ感をまずはお約束。そして、ヨレヨレの気だるいヴォーカルがシリアスな感性を持ってサウンドの上を泳ぎ、グルーヴィなリズムもまた酩酊感に拍車をかける。

 13th Floor Elavatorsやヴェルヴェッツ~等をルーツにあげ、ズブズブと深みにはまっていくようなサウンドを展開。ヘヴィでブルージーな感覚と古きアメリカン・ロックの味わい、そこにスペースメン3のようなサイケデリアが加わって、歪みに歪んだ音像を汲みあげていくのが特徴です。

 時にはオルガンやギターソロが主張して、60~70年代のガレージ/サイケの風景が見えるのだが、ふわふわとした浮遊感や近年のオルタナティヴ・ロック的な感触も巧く調和しています。それがネオ・サイケとして評される所以でしょうか。

 ぼやけた視界に囚われているとブーストしたギターの波に昂揚感を煽られる#1、ダウナーで妖しいロックを展開しつつも優美な瞬間も垣間見れる#3、低部を蠢くベースラインと徐々に存在感を増していくファズ・ギターが印象的な#7とサイケをキーワードに変相を見せる楽曲群は充実。ルーツを重んじながらも今のサイケデリック・ロックを奏でています

メインアーティスト:The Black Angels
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