【アルバム紹介】Dungen『Skit I Allt』

1999年から活動するスウェーデンのサイケデリック・ロック・バンド。読みはドゥンエン。 ソングライターを務めるグスタヴ・エイステスを中心としたグループで、04年に発表した3rdアルバム『Ta det lugnt』がPitchforkで9.3点を獲得して世界的な認知度を高める。これまでに8作のフルアルバムを発表しています。

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アルバム紹介

Skit I Allt(2010)

  6thアルバム。前作ではやや整理された感のあるサイケデリック・ロックを鳴らしており、脳内にお花畑を咲かせていたのが印象に残っています。そして本作ではさらなる洗練を図り、ポップといわれる領域に足を踏み入れてきましたた。

 ダウナーな空間へと変えていくファズギターは控えめで、美しいメロディを全面に打ち出している。情緒的なフルートの音色、麗しいピアノの調べ、懐かしさを覚えるようなフレーズから叙情的なメロディまでを多彩に奏でるギター、甘美な女性ヴォーカル。それらをポップの潤滑油として活用し、独特の味わいをもった世界観を構築します。

 時折、ファズが効果的に差しこまれ、アタック感の強くなるベースライン、トライヴァルなリズムやプログレを下地にしたような展開が渋さを配している。アコースティックで牧歌的な空気を醸し出す曲も心地良い感触。それらの組み合わせが非常にすっきりしていて、スムーズに聴きとおせるのがDungenの強み。

 凝っているとはいえ、それら全ての要素が巧くハマっている。濃密なグルーヴの上をフルートが縦横無尽に駆ける#1のオープニングから、多彩な楽器と音色が融和しあう佳曲#2、プログレチックでありながらピアノによる上品な佇まいが印象的な#8と聴きやすい。

 サイケデリックという持ち味はあるにせよ、ポップという感覚を綺麗に織り込んだことでの変化が面白い内容でレトロでいて新しい。

お読みいただきありがとうございました!
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