【アルバム紹介】Love Sex Machine『TRVE』

 フランス・リールを拠点に活動するスラッジメタル4人組。2009年から始動。もともとIn The Final Analysisというバンドで活動していたメンバーがほとんどで、バンド名を変更してそのまま再始動することに至った。なお、バンド名は冗談でつけたものをそのまま使用し続けている(The Sludgelordインタビューより)

 自身の音楽スタイルを”Suicidal Nihilistic Sludge”と称する。これまでにフルアルバム3作品をリリース。本記事は2024年4月にリリースされた最新作となる3rdアルバム『TRVE』について書いています。

タップできる目次

アルバム紹介

TRVE(2024)

 3rdアルバム。全10曲約36分収録。約8年ぶりとなるフルアルバムは、ミキシングに元MinskのSanford Parkerを迎えて制作。

  “このアルバムでは常に残酷さと無意味さという、私たちの心に近いテーマを取り上げている。しかし、『Trve』には陰謀論、医学実験、そして愛への暗示も含まれている“とox-fanzineのインタビューで語っています。

 本作で初めて聴きましたが粗悪なスラッジメタルという印象が強く、リリースインフォにある”言いようのない嫌悪感を抱かせるヘヴィネスが詰まった”というのは確かにそうでしょう。

 #1「Fucking Snakes」からして憎しみの総量をコントロールした重圧的なリフを振り回し、獣性の高い唸り声が襲いかかります。

 基本的には3分台という簡潔な足回りの中で曲を構成しており、ドゥームの粘着性やサイケデリックな効能は薄め。時折シンセサイザーをマッチングさせてくるものの宇宙で成仏する類のものではなく、全体を通してガチムチのフィジカル重視のゴリスラ(注:ゴリゴリスラッジの略)が特徴です。

 逆に繊細という言葉をどこかに忘れてきたのか豪快で大味な印象は残ります。化粧水で保湿が必要なみたいな。とはいえ、Sepulturaチックなグルーヴが冴える#4「BODY PROBE」、終盤に最もメロウな質感が表出する#5「CANOPY」、残忍性のレベルを引き上げる激速パートを用いた#8「AUTISM FACTOR」など強烈な曲を有しています。

 前述のインタビューでは”我々のような愚かなスラッジメタルバンドで演奏することは、一定の年齢を超えると本当に社会的に疑わしいものになる“と自らを皮肉ってるのはちょっと笑える。だからこその”Suicidal Nihilistic Sludge”なのか。

メインアーティスト:Love Sex Machine
¥1,500 (2024/10/17 09:36時点 | Amazon調べ)

MUSIC VIDEO

LOVE SEX MACHINE – HOLLYWOOD STORY – Music Video
お読みいただきありがとうございました!
タップできる目次