シアトル発の5人組オルタナティブ・ロックバンド、Minus The BearのLIVEへ行って来ました。BotchやSharks Keep Movingのメンバーがいることでも有名。昨年に発売した3rdアルバム『Planet Of Ice』も非常に好評なようですね。
開演時間に少し遅れて到着すると、Minus The BearのVo&Gのジェイクがビール片手に入り口のところにいるではありませんか!?さすがに驚いてしまって、軽い会釈しかできませんでした。そのまま俺の横を通り過ぎてエレベーターに乗ったジェイクは一体どこへ行ったんだろうか・・・
10分押しでスタートしたライブ。オープニングアクトは地元・名古屋のSOULKIDS。ポップで爽やか、かつ切ないメロディが印象的で万人に好まれるようなサウンドだった。今日、彼等を初めて見た人の方が圧倒的に多いと思うが、好感触を得た人もいそう。実際にバンドの持ち味を地元ということもありしっかりと発揮できていたと思う。ただ、個人的に感じてしまったのはもう一癖も二癖もサウンドにひねりを加えてほしいこと。でもmyspaceで視聴した感じ、ポップで気持ちいいのでこれはこれでいいのかなと思う。
MINUS THE BEAR
15分間、Minus The Bear自らでセッティングをしていざライブへ。スタートは最新作より「Burying Luck」。ベースのトラブルが少しあったものの、観客を引き込むには十分の出足。セットリスト自体は、3rdを中心に2nd,と1stをバランスよく選曲。こうしてライブで聴くと3rdはかなりダウナー系で緊張感のある感じ、それと比べると1st,2ndは一癖も二癖もあるが、ポップよりといえます。
ただ、演奏を見る限り元Botchというお触書もあるように演奏技術の高さと時に襲い掛かるような獣の様な音の厚みは半端無い。繊細でありながらもダイナミックな音の躍動はこちらの意識とシンクロしていくよう。ナチュラルな音を出しているんだけど魔法の力を持ってる音といえるかもしれません。
特に今日は、イントロだけで歓声が巻き起こった人気曲「Memphis & 53rd」「The Fix」の鮮やかながらもしっかりと心に刻み付けるようなメロディの良さに感動し、ラスト前の「Knights」には音源を越える凄みを覚え、本編ラストの「Lotus」では地殻変動を起こしたかのような力を感じました。
アンコールでは彼らの中でも名曲中の名曲に挙げられる「Absinthe Party at the Fly Honey Warehouse」「Pachuca Sunrise」を披露。特に「Pachuca Sunrise」が起こす感動に最後まで浸っていました。心から音楽というものに酔ったライブだったなあ。終わってからも客の1割を占めた外人を中心に鳴り止まない拍手と声援。5分ぐらい続いたけどやっぱり出てくることは無かった(Minus The Bearはこの公演が終了したらすぐに東京へ新幹線で向かうという話だったから)。
非常に満足感の高いライブでした。幾重にも重なる重厚な音と繊細な音の粒子が次々と飛び交い、スペーシーに拡散する。かつその中にもドラマがあり、心にグッと来るものがある。Minus The Bearは2nd,3rdアルバムで魅せた片鱗そのままの、もの凄えライブを披露してくれました。まだ2月19日に東京でラスト1公演あるんで興味を持った方は是非とも足を運ぶことをオススメします。
それにしても彼等は外人に人気があるのか、今日の客(60人ぐらい)のうち15%ぐらいを外人が占め、さらにライブ中もノリノリ。オルタナティブとポストロック、そしてダンサブルなサウンドが融合した産物でしょうか、外人女性がずっと踊り狂ってました(笑)。そしてパシャパシャとお構いなしに外人客はライブ中ずっと写真撮ってたのが笑えました。
—setlist—
01. Burying Luck
02. Drilling
03. Spritz!!! Spritz!!!
04. Throwin’ Shapes
05. Memphis & 53rd
06. Dr. L’Ling
07. White Mystery
08. Get Me Naked 2: Electric Boogaloo
09. The Fix
10. This Ain’t a Surfin’ Movie
11. Knights
12. Lotus
—encore—
13. Absinthe Party at the Fly Honey Warehouse
14. Pachuca Sunrise