こどもの日にハードコアのライヴじゃ!ということでニューヨークのハードコアバンド、OFF MINORの来日公演へ。共演にkillieやBALLOONS、heaven in her arms、LITEという5バンド。すさまじい激音祭がライブ前にもかかわらず目に浮かびます。
名古屋にしては会場8割ぐらいの入りで、さすがのメンツがそろったんだなと実感。
ライブ感想
LITE
20分ほど押して、いきなりLITEが登場。オープニングは1stミニアルバムの「I miss seeing all」からとちょっと意外でしたが、続いての「Human Gift」でも持っていかれました。アタックの強いベースと攻撃的なドラム、リズム隊が引っ張り、ツインギターは美しく絡みあい、臨場感と昂揚感を高めていく。
何といってもこの躍動感がハンパない。さらに攻撃的な「Ef」、静と動をダイナミックに交差し激しく鮮やかに展開するラストの「Contemporary Disease」には初っ端のバンドとはいえ興奮が止まりません。唯一のインスト・バンドで、アウェー感もあった初めてのLITEのライブ、物凄く引き込まれてしまいました。
—setlist—
01. I miss seeing all
02. Human Gift
03. ripple spread
04. Ef
05. 新曲
06. Contemporary Disease
heaven in her arms
2番手にheaven in her arms。トリプリギターにベース、ドラムという編成で、サウンド自体はenvyに似たポストハードコア。けれども、ヒステリカルな絶叫ヴォーカルや重量級サウンドなどを聴くと動パートはブラックメタル並にぶっ壊れている。
ライブでは呪術的雰囲気をかもし出すためか、会場の照明を消して2本の蛍光灯を左右に置いてバンドを照らすという変わった演出も。トリプルギターによって深遠で壮大なストーリーを描き、独特の雰囲気を創り上げると同時にこちらのイマジネーションを最大限に喚起。「鉄線とカナリア」も良かったけど、ラストの「赤い夢」にはかなり引き込まれました。
—setlist—
01. 声明
02. 痣で埋まる
03. 明度八の偏愛
04. 交差配列
05. 鉄線とカナリア
06. 赤い夢
BALLOONS
4人編成の歌ものエモ~ポストロック・バンド、BALLOONSが3番手。バックの演奏は本当にポストロックよりですが、歌がUSロックっぽくもあり、エモっぽい感じもするオルタナ色が加わっているサウンド。
その2つがうまく調和していて不思議な柔らかさと滑らかさ、それにロックの衝動もいい感じに伝わってきて興味深い音を出していました。演奏されるごとに徐々に引き込まれていき、最後の方は心地よかった。このあとに混沌を突っ走る2組が続いたことを考えても清涼剤のように体に潤いを与えてくれましたね。
killie
何だこのわれんばかりの圧力は。そしてかっこよさ。一瞬で惹かれてしまったのがこのkillieというバンド。混沌が渦巻く世界へWelcomeさせられると、凶器のように鋭利で鉛のように重い轟音をぶっ放し、神経を死滅させる。なんていうかこの前DOOM AGE FESTIVAL VOL.4で見たChurch of Miseryと同じような印象を受けました。
全然楽曲は知らなかったのですが、びびりましたしチビりました。お客さんも彼等お目当ての方が多くてかなりの盛り上がりだった。一組のカップルが肩組んでヘドバンしている姿を見たときは、名古屋もまんざら捨てたもんじゃないなと思ったり・・・(笑)。
OFF MINOR
ニューヨークから参上したマス系のハードコア・バンド、OFF MINORが当然にトリ。基本はハードコアをベースにしながらもジャズやマスロックのフレーズなんかも入れて変則的なサウンドでした。とはいうもののハードコアのうねるような熱風は凄く、ギターとドラムがシャウトしまくるスタイルが新鮮。
スリリングに畳み掛けてくることによって白熱する彼等のライブでは今まで大人しかった観客もついに暴れだし、モッシュが巻き起こる。ひたすら狂瀾怒涛の波が押し寄せるカオティックなライブに満足、アンコールにもバッチリと応えてくれて本日のライブは幕を閉じました。
OFF MINORは今回のツアーが終わったら解散するとかいう話もあるので、これがラストツアーかもしれないとのこと。そんな貴重な機会にこうしてライブが見られてとてもよかった。全バンドが約30分という短い持ち時間であったけど、いずれも我が強い。こどもの日にハードコア!その選択は大正解でした。