2015年春ツアー『THE UNSTOPPABLE LIFE』へ。前ツアーから約5ヶ月ぶり。その時は、9thアルバム『ARCHE』発売3週間前ぐらいで、いくつかの試聴音源が発表されていたけれど、全貌を把握できなかった状態でライヴに臨みました。それでも彼等なりのシンプルさで研ぎ澄まされた楽曲がストーンと体に入ってきて、『ARCHE』先行体験をしっかりと味わえました。リリースから日が経ち、だいぶ馴染んだ後の今回はどうか。
ARCHE本格始動といえるのが、『TOUR15 THE UNSTOPPABLE LIFE』。この日に披露された全19曲のうち15曲が『ARCHE』の曲と、もはやなんでもないような日々もアルケーだったと思うぐらい。だからこそ「and Zero」スタートで良かったし、「空谷の跫音」もやってくれた方が良かったと思いますが(空谷の跫音が『ARCHE』で一番好きなだけですが)。
今ツアーでお披露目になった曲で印象的だったのは、「懐春」や「Behind a vacant image」辺り。前者はかつてへの回帰や日本情緒をしのばせつつ美しく魅了。後者はメロディアスなサビを軸にしていくつものドラマが連続する。「Behind~」は終盤に観客が歌っているシーンもあって、既にだいぶ馴染んでいます。もはや『ARCHE』はライヴにおいて、客席の歓声や感情を巻き込んでここまで完成しているのかと。それと「濤声」が前回に続いてグッときましたね。ここにやっぱり「空谷の跫音」もいるんじゃないでしょうか・・・(願望)。
アルバムを全く聴いてない状態でも、前回のツアーで本能的に訴えかけてきた「Cause of fickleness」「Chain repulsion」「鱗」といった曲はさらに勢いがついたように感じさせ、ここに今回はまさに地獄の光景な「The inferno」が加わっています。速い曲が足りないからやっつけで作って入れたんじゃね?疑惑があったこの曲もライヴだと破壊力が凄い。そして、本編ラストのレボリューション・・・じゃなくて「Revelation of mankind」ではスクリーンにMV(無修正Ver??)を流しながら、緩急自在に爆発していった。
アンコールでは今ツアーで久方ぶりに披露している「腐海」をまず演奏する。相変わらず歌詞を変えてたけど、個人的に10年ぶりにライヴで聴くことができて感激。さらに、こちらもライヴで久しぶりに体感する「朔-saku-」で一番ボルテージが上がります。演奏された時の歓声も一際大きかった。もはや10年以上前の曲という事実を信じたくない気もするところですが(苦笑)。
「俺らとひとつになれるか」という京の言葉からラストは「激しさ~」が灼熱の空間へ。『ARCHE』という現在地であれ、やはりこの終わりがしっくりくるのでありました。そして、京が各所に指差しして満足気な表情を浮かべ、楽器隊の餌巻きタイムを経て終演。メンバーがはけたあとのスクリーンには、「DIR EN GREY TOUR15 THE UNSTOPPABLE LIFE」という文字が映しだされていた。
前ツアーと比べて、ほぼ収録曲を網羅したセットリストで『ARCHE』が十二分に堪能できる内容で満足。以前の作品と比べて重さより体が自然と反応するような感じはやっぱり強い。ここからどう熟成されいくのか楽しみ。
セットリスト
00.SE(新)
01.咀嚼
02.Cause of fickleness
03.Unraveling
04.Midwife
05.Un deux
06.懐春
—INWARD SCREAM—
07.輪郭
08.濤声
09.禍夜想
10.Phenomenon
11.Behind a vacant image
12.Sustain the untruth
13.The inferno
14.Revelation of mankind
‐‐‐encore‐‐‐
15.腐海
16.Chain repulsion
17.鱗
18.朔-saku-
19.激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇