ライブ参加してから1年半以上経って、本記事を書いています(公開日時は変えていますが)。あの日々を懐かしむ。と同時に再びあの日々は取り戻せるんだろうかと未来に疑心暗鬼になりながら。
2020年2月に開催されたツアー「DRIPPIN’」。3月に東京で追加公演を予定してましたが、あえなく中止。当初の予定通りに本公演が千秋楽となります。4年に1回しかない閏日に、sukekiyoらしいお天気模様の小雨降る中で開催されました。
会場の名古屋ReNY limitedは初めて行きましたが、栄のラシック近くにあるキャパ600ぐらいの新しいライブハウス。新宿ReNY等の系列店。名古屋クアトロやボトムラインと同等規模ぐらいですが、余計なものが無い分は見やすいし、綺麗です。
当日はSOLD OUTですが、新感染症が広まりつつある影響(このちょっと前にライブハウスでクラスターが出たという報道があった)で、足を運べなかった人もいたと思います。自分は当日にマスクはしていましたが、開催されるんだから大丈夫だろうという気持ちで参加しました。公演参加者の6、7割ぐらいはマスクはしていた記憶。
ライブ感想
開演時刻から少し経ち、匠さんがまず登場し、途中から京さんが合流。ピアノ&詩セッションということで静かに立ち上がります。終わりがけに他のメンバーが続々と入っていき、「leather field」が始まっていく。圧縮するフロア前方付近、大きくなる歓声。もはや失われてしまった光景と声がこの時にはありました。
3曲目に披露した「沙羅螺」において印象的なシーンがありました。中間演奏時に京さんが「俺たちはここにいるぞ」と叫んだことです。大半の人がこの先どうなっていくんだろうと不安を抱える中で、この言葉にエネルギーをもらった人がどれだけいることか。頼もしい、その一言では言い表せないsukekiyoの存在の大きさを感じた次第です。
新曲を2曲披露した中で、驚きは「Valentina」。事前にWinkみたいな歌謡曲があるとみましたが、実際に聴くと本当にそれっぽい歌もの。ちょっとした手の振り付けもあって、レイト80’s~アーリー90’sのアイドルっぽさが染み出てる。続く「dorothy」と合わせて聴き、sukekiyoの懐の深さと自由さがバンドの強みと異形に繋がっていることを思い知らされます。
「艶」~「濡羽色」~「憂染」~「ただ、まだ、私。」の聴かせるバラードセクションがまた何とも言えないぐらいに切なくて、ずっと聴き入っていたいぐらいに美しくて。なのに「偶像モラトリアム」や「漂白フレーバー」で濁していくのがsukekiyo流。「黙れ」と一言放ち、アンコールは「anima」。終盤のシーンを再演するように静かに聴かせながら終わっていく。京さんの「おやすみ」で本当に終演を迎えるのでした。
本公演から1年3カ月もの間、わたしはライブから遠ざかります。急激に世界が変わっていく中で、大切に残る時間。それがこの日のsukekiyo公演だと心の底から思うのです。
セットリスト
2020/02/29 sukeiyo TOUR20「DRIPPIN’」@ 名古屋ReNY limited
01. leather field
02. 猥雑
03. 沙羅螺
04. 本能お断り
05. こうも違うモノなのか、要するに
06. Valentina
07. dorothy
08. 君は剥き出し
09. maniera
10. 接触
11. dunes
12. 黝いヒステリア
13. 艶
14. 濡羽色
15. 憂染
16. ただ、まだ、私。
17. 偶像モラトリアム
18. 漂白フレーバー
—Encore—
19. anima