「バンドがいつまで続くかわかりません。我々の命ある限り、音楽に、このバンドにまい進する所存です。俺たちはいつも最後のつもりで毎回ライブに挑んでいます。みんなもその気持ちでLUNA SEAのライブに臨んでくれるとうれしい」とアンコールの時にSUGIZO先生が話す。
バンドが長年続くことは奇跡みたいなものだとはよく言われますが、今回の公演(+ツアー)はより特別です。
LUNA SEAがその地位を不動のものとし、後世にも大きな影響を与えた『MOTHER』と『STYLE』という両巨頭。その2作品を全曲フルリテイクのセルフカバーして現代によみがえらせ、再現するツアーなのですから。あの頃(90年代中期)をリアルタイムで聴いてない自分には夢のような時間。
ちなみにわたくし、LUNA SEAライブはLUNATIC FEST 2018以来です。
揺らぐ「WITH LOVE」で始まり。「G.」で一気にヒートアップする会場。場所は先月のNEX_FEST Extra -AICHI-で訪れて1カ月ぶりの日本ガイシホールでしたが、90%近く埋まる盛況ぶりです。歓声だけにとどまらず、多くのSLAVEたちが着用するLUNA SEA LIGHT(グッズの腕時計型ライト)が無数の月のように照らし、一体感を高めます。
本編は第1部、20分休憩をはさんでからの第2部の構成。第1部はほぼ『STYLE』からの披露となり、5曲目の「TWICE」もシングル『END OF SORROW』のカップリングです。改めて感じたのは聴かせるアルバムだということ。そして狂気とも歪ともいえる愛が円熟味を増した表現の中でも貫かれていること。
「LUV U」は軽やかさが心地よく、ゴシックテイストの強い「RA-SE-N」では演奏が進むにつれてスイッチが入っていくRYUICHI氏のヴォーカルに引きずり込まれる。さらには8分を超える重厚なモノクローム叙事詩「SELVES」がより濃い世界へと導いていく。『STYLE』を早くも十分すぎるほど堪能。
20分休憩をはさみ、リズム隊セッションから定番曲へ。「Déjàvu」や「TIME IS DEAD」、「ROSIER」といった怒涛の必殺曲で畳みかけます。それでも本編の締めは「HURT」であり、真紅の照明に照らされる中でユニゾンを主体とした演奏で妖しくもっていく。シビれるような締め。
アンコールはわたしがLUNA SEAでトップクラスに好きな「IN SILENCE」で幕開け。この曲を聴ければ必然的に満足度MAXのライブになる。
全メンバー紹介を挟み、PRECIOUS…」以降は#LUNAPICとタグ付けされるスマホ撮影OKタイムが設けられる。RYUICHI氏に言われた通りにカッコいいLUNA SEAをと思いましたが、2階のスタンド席の自分からは↑のような眺めが精一杯。それでも「WISH」で銀テープが飛んだすぐの光景を残したくなりますよね。
大ラスは「FOREVER & EVER」。白い上着を着用し、10分を超えるバラードをエモーショナルに演奏し続ける。演出も素晴らしく、メインモニターに27年前のライヴ映像を映して両脇サブモニターで現在のステージを映す。カメラワークを全く同じにする対比構造によって、今もこうしてLUNA SEAが続いていることの奇跡に感動が増幅される結果に。
「2024年はLUNA SEA 35周年。ガンガンいきます」という言葉がありました。さらにはできる限りLUNA SEAの活躍に時間を使うとおっしゃっていたので、そろそろあのフェスやりません?というのを強く期待して本稿を結びます。
—setlist—
01. WITH LOVE
02. G.
03. END OF SORROW
04. LUV U
05. TWICE
06. 1999
07. RA-SE-N
08. SELVES
–20分休憩–
09. リズム隊セッション
10. Déjàvu
11. DESIRE
12. TIME IS DEAD
13. ROSIER
14. HURT
—Encore1—
15. IN SILENCE
16. PRECIOUS…
17. WISH
—Encore2—
18. FOREVER & EVER
*会場BGMは開演前にNINE INCH NAILS、休憩中はDead Can Dance。