サッドコア/スロウコアの祖がまさかの初来日です。音楽史に名を刻む語り継がれる人たち。それを極東の島国で見られるなんて思ってもいませんでした。実際に今までは異国のおとぎ話だとずっと・・・。でも今宵、目撃者として現場に立ち会えて感無量です(わたしはそこまで熱心なファンではないけれども)。
21時頃、ステージに姿を表すCodeineの面々。「わたしたちはコディーンです。ニューヨークシティからきました」と日本語であいさつをし、公演は始まる。
オープニングを飾る「D」からスロウコアの情景に入っていきます。一音一音を確かめるように鳴らし、歌を空間に静かに置いていく。最低限の食材で最高級の料理をつくりあげること。そして削ぎ落とすことで得る豊かさや美しさ。それらを年季の入った技で表現していました。
ステージの3人は別に度肝を抜こうとするでもなく、やはり地に足をつけてゆっくりと淡々としている。使用楽器もエフェクターも簡素。そんな限られた音符しか置かない中で感じさせる静と動のダイナミズム。それが派手に演出されたものではないし、ハイライトを生み出そうってわけでもない。静と動を流れる小川のようによどみなく行き交い、体に染みわたらせる。
また余白が多いとはいえゆるみはなく、かといって過度に緊張感があるわけでもありません。その不思議さ。雪山に感情を置いてきたようなスタジオ音源と比べると、ライブは人間味を強く感じるもの。Vo&BのStephen Immerwahrの眼光は鋭いものの、全体の雰囲気は年を重ねたがゆえの柔らかさがにじみ出ていましたね。
静かに音を受け止め、静かな音を追いかけ、Codeineの茂みをかき分けていく。「Loss Leader」「Atmosphere」など30年前の結晶ではなく今の時代にも響く曲として、美しいものがありました。
共演には2バンド。何度か見ているclimb the mindは生活の中のエモを鳴らし、ブッチャーズのカバーである「襟がゆれてる」を披露。
そして東京からCruyff。バンド名の由来はヨハン・クライフだという(こちらのインタビュー参照)その名前を目にする機会は多かったのですが、本日初見です。とにかく驚かされました。もちろん良い意味で。
いろいろなものがミックスされているのにどこにも属さない音楽としての強度を感じました。それこそオルタナティヴといえますが、その言葉で回収したくない強烈な個。破綻スレスレを狙う轟音から感傷的なエモまで。すごく良い体験をしました。
—setlist—
01. D
02. Cigarette Machine
03. Barely Real
04. Loss Leader
05. Median
06. Washed Up
07. Tom
08. Jr
09. Sea
10. Pickup Song
11. Atmosphere
12. Pea
—Encore—
13. Cave-In
14. Promise of Love
15. Broken-Hearted Wine