お望みの地獄はここか?ANDROGYNOS2日目に続いて”人間”を問うてくる曲の数々に、聴き手自身が抱える光と闇があぶり出される。いきなり『DUM SPIRO SPERO』の3連発から肉体と精神の摩耗。DIRは人間の負や痛みに焦点をあてるバンドですが、とりわけ今ツアーのセットリストはその深度がいつも以上でした。
そして中盤から終盤にかけてを飾った「DIABOLOS」と「VINUSHKA」の2曲。DIR EN GREYの核たる部分を濃縮したこれらの大曲がそろい踏みするのはTOUR’13 GHOUL以来ですかね? ここに京さんのグロウルと共にスクリーンに映る赤字の歌詞”〇姦、ペ〇フィリア(など)”が視界に揺れながら飛び込んでくる「罪と規制」が被さり、重量感と暴力性が増す。久しぶりに聴けた「OBSCURE」もまたエグかった。
アンコールでは「Values of Madness」で薫先生が次の「鱗」を先走って弾いてしまい、演奏がストップするトラブルもあって、場に戸惑いとなごみが訪れる。それでもギアを入れ替えて再び走り切る。最後は「Eddie」。スクリーンに映し出される”糞まみれ”の文字に毎回笑ってしまうから、なんとかならんのかと思うが、この曲が最後を飾るようになったのかと感じながら終わりを迎えました。
—setlist—
01. 流転の塔
02. AMON
03. 激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇
04. Phenomenon
05. 谿壑の欲
06. 禍夜想
07. 罪と規制
08. DIABOLOS
09. VINUSHKA
10. OBSCURE
11. 落ちた事のある空
12. The inferno
—Encore—
13. The Devil In Me
14. Values of Madness
15. 鱗
16. Eddie