【アルバム紹介】Be Safe『Unwell』

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アルバム紹介

Unwell(2024)

 Perfect FutureというバンドをやっていたMatt Wojcikさんを中心とした新バンドの1stアルバム。全9曲約30分収録。リリースはエモ・リバイバル系レーベルのCount Your Lucky Starsから。

 ジャケットはElliottの『U.S. Songs』を少し思いださせるも内容は似てません。90年代エモの影響下にあるサウンドですが、疾走感や瑞々しい蒼さはあまり感じられないタイプです。それに勢いもない。

 ”しんみり”という言葉が似合うもので、サッドコアといわれるジャンルに近しさを覚えます。ゆったりとした進行、余白のある構成、渋い歌心。冒頭を飾る#1「Thursday, 9 AM」、#3「Ghosts」や#5「That Kind」にはその特色が表れており、わびしさとせつなさの狭間で揺れ動く。

 デビュー作にも関わらず、玄人並みの枯れた表現。歌も楽器も黒子に徹しているかの如く、控えめに楽曲を盛り立てています。聴いてて爽快感はないですが、聴けば聴くほど味が出てくる。

 とはいえ#4「Replaceable Man」や#7「Dark Cloud」のように声を荒げ、分厚いギターが登場する場面もあります。この辺りは90年代エモの影響が最も感じられる場面でしょうか。

 タイトルは訳すと”具合が悪い”になりますが、そんな憂鬱の中にも静かに耳を傾けたくなる曲がそろっている。

メインアーティスト:Be Safe
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