アルバム紹介
Focus(2024)
1stアルバム。全5曲約43分収録。ベルギーのデス/ブラック系バンドのThurisazでシンガー兼ベースを務めるHannes Leroyを中心に結成された4人組(ちなみにThurisazは聴いてないのでご容赦ください)。
スラッジ/ポストメタルを主要素としており、Dunk!Festを開催している信頼と実績のDunk!Recordsが本作をリリースしていることもあって、検閲はパスしています。
そのレーベルによるリリースinfoによると”ISIS the Band『Oceanic』、Rosetta『Wake/Lift』、Cult of Luna『Somewhere Along the Highway』などの名曲にふさわしい続編を求めてきた人にとっては、新鮮な聴き心地“とあります。
新鮮というよりはむしろ懐かしい聴き心地じゃねえかと私は思いますが、それぐらい先人達のエレメンツを惜しみなく投入。1曲平均8分30秒を数える中で静動と清濁の揺れ動きを表現しています。
テンポは一定したスロウ~ミドルを守り、重厚なリフを中心にメランコリックなトーンを使い分けるギターが主導。ヴォーカルもデス系の唸り声を頻繁に使い、哀愁を漂わせるクリーンボイスを挟みます。
お上品なピアノが繊細な美しさをもたらすイントロから一気に重く鈍い恐怖を味合わせる#1「Into Red」に始まり、#3「My Burden」の終盤ではISIS the Band、#4「A Way」にはCult of Lunaの影響が強く見られます。それでいて電子音のタッチは70年代ジャーマン・プログレ風な感じがするので新鮮かも。
アトモスフェリックな柔らかさを加味した終曲#5「Careless」はザクザク系ギターリフでエンディングを迎える辺りも驚きがあります。
ちなみにベルギーですけど、母国の重鎮・Amenraっぽさはほとんどない。しかしながらデビュー作にしてこれがポストメタルだというはっきり主張した作品をつくりあげています。