神奈川県出身インストゥルメンタル・トリオ。ポストロック・エレクロトニカ・シューゲイザーといった要素を自分たちに落とし込みながら、日常を艶やかな残像として蘇らせるその音色は聴くものの耳を優しく癒し、穏やかな時間を提供してくれる。
2008年には3rdアルバム「All Around Us」を発表。その後、epic45ともスプリットツアーを行うなど、海外バンドとの親交も深い。
アルバム紹介
painted e.p.(2006)
8曲入りミニアルバム。toeの美濃氏がエンジニアを務めています。
再生した瞬間から陽が辺り一面に差していく。温かい響きを持つ楽器の音色、キラキラとした空間を演出する電子音がバランスよく融合して生まれる心地よい一時が流れます。
エレクトロニカ方面に傾いたポストロックという感じですが、優しく流れるメロディとゆっくりとしたリズムにのせて進行し、その上を電子音が星のようにキラキラと瞬いています。
ポストロック的な爆発的展開/轟音の炸裂感というものは一切なく、終始安らかでゆるやかに流れていく。麗かな陽光に包まれるような感覚、ギターの湿っぽい哀愁が心地よい気分にさせてくれます。
特に#2、#4辺りは全てを包み込むような包容力に秀でた佳曲だと思う。ここには慈愛に満ちた癒しが詰まっており、心の疲れを取り除くには最適な作品。
EP扱いなのにepic45など交流のある海外アーティストが手がけた3曲のリミックス曲を収録。ミニアルバムとはいえ、ボリューム多し。
All Around Us(2008)
3rdアルバム。#1の鉄琴による静かで厳かな幕開けが過ぎると、#2ではすぐに陽光溢れる大気と自然の恵みが包み込んでくれます。
どこか懐かしい温もりのある儚げなギターが流れ、牧歌的で穏やかに波打つリズムを軸に非常にゆったりとした空気が終始拡散。
そこにエレクトロニカの有機的な音粒子がキラキラと浮遊し、シューゲイザー風味の味付けや音響系のアプローチが滑らかな味わいを生んでいます。ゆるやかな曲線を描きながら琴線をくすぐるポストロックサウンドが実に心地よい。
聴いた感じだとAlbum Leafに似た感触を覚えるだろう王道路線。ですが、miaouの方が包容力に優れているように感じます。純真なメロディ群、ふんわりと包み込むような感覚が心地よい。
#3「Hello World」を聴いているととても穏やかな気持ちになれ、アコースティックギターの調べが美し過ぎる#10「Shining」ではノスタルジーに浸れます。日々の忙しさや切迫感とは距離を離してくれるような音楽。
本作はミネラルたっぷりで癒しが詰まった好盤です。